見る・遊ぶ

名演小劇場で日越初合作映画「ベトナムの風に吹かれて」 大森一樹監督が来名

来名した大森一樹監督

来名した大森一樹監督

  • 0

  •  

 栄の映画館「名演小劇場」(名古屋市東区東桜2)で10月24日から、初めての日本・ベトナム合作映画「ベトナムの風に吹かれて」が公開される。公開に先立ち、大森一樹監督が来名して会見を開いた。

[広告]

 ベトナム・ハノイで働く日本語教師の女性が、認知症になった母を新潟から移住させて共に暮らす日々を描いた同映画。原作は小松みゆきさんの同名エッセー。主人公みさおを松坂慶子さん、母を草村礼子さんが演じ、「ヒポクラテスたち」「風の歌を聴け」などを手掛けた大森監督がメガホンを取った。

 ハノイで日本語教師として働くみさお(松坂さん)の元に、父の訃報が届く。故郷の新潟で母が認知症になっていたことを知ったみさおは、兄夫婦の反対を押し切り、ベトナムで共に暮らす決意をする。

 「日本ベトナム協会とプロデューサーから、やってみないかと声を掛けられたのが始まり」と大森監督。勢いよく発展する街並みと美しい自然、エネルギッシュで素朴な人々の暮らしに加え、ベトナム戦争、日本との国交などの歴史もストーリーに盛り込み、初の合作映画を完成させた。
 「ベトナムの人々は前向きで、日本に対してとてもよい印象を持っている。快適で穏やかな国だった。ベトナムロケは半年で、撮影は3週間くらい。天候が良かったので撮影は順調。ベトナム側のプロデューサーが優秀な方で、とても魅力的な俳優を集めてくれた」と振り返る。

 松坂さんとは意外にも初めての仕事だという。「同い年だが、なぜか今まで一緒に映画を作る機会が無かった。今回、いい時期にいい映画の仕事ができた。お互いに映画業界で30年以上やってきたから、あうんの呼吸で理想的な映画作りをすることができた」と話す。

 ベトナムの魅力が詰まった映画であるとともに、介護の苦労を語る物語でもある同作。「2人きりの介護生活ではなく、街のコミュニティーが力を貸してくれるのは、原作にもあるエピソード。ベトナムの人たちは心優しくて、昔の日本の下町のような姿が残っていると感じる。僕は介護の経験はないので、現実の介護問題に言えることはあまりない。この映画が少しでも何かのヒントにつながればうれしい」と話す。

 最後に大森監督は「つらい場面もあるが、大人の第二の青春映画として作った作品。同世代の人たちが見たいと思える日本映画らしい映画になっている。一歩踏み出せば転がっていくのが人生。映画を見た人に、まだまだ自分にはやらなければいけないことがあるぞ、と思ってもらいたい。ぜひ映画館に足を運んでいただけたら」と話し、映画の成功を祈った。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース