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「アートラボあいち長者町」でアーティストが滞在制作 3月に作品発表

アートラボあいち長者町でアーティストトークを行った川田知志さん(右)

アートラボあいち長者町でアーティストトークを行った川田知志さん(右)

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 錦の「アートラボあいち長者町」(名古屋市中区錦2)で1月28日、アート企画「まちとsynergism」のオープンスタジオと参加アーティスト川田知志さんのトークイベントが行われた。

展示作品を紹介する川田知志さん

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 「アートラボあいち」は国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2016」や現代アートに関する情報の提供、愛知県内の芸術系大学と連携した定期的な展覧会の開催などを行う施設として、大津橋と長者町に2015年8月にオープン。3月末で長者町を閉館し、大津橋に活動を集約していくことが発表された。

 「まちとsynergism」は長者町で行われる最後の企画。「滞在制作を通して長者町地区の地域資源を生かすこと」をテーマに制作プランを公募し、審査によって川田さんと黒田大祐さんが選ばれた。2人は長者町に滞在しながら作品制作を行い、3月11日~31日の期間中に成果展を行う予定。

 川田さんは大阪府出身。学校や銭湯のような公共施設での壁画制作など意欲的に作品発表を行い、美術館敷地内の森を利用した展示で「六甲ミーツ・アート芸術散歩2016」公募大賞グランプリを受賞している。

 今回の企画に川田さんが提出した制作プランは「一時的な空間構成が目的の壁画作品を、維持管理するために必要な方法を制作する」というもの。川田さんは20日から名古屋に滞在し、長者町ほかを巡りながら制作の構想に取り組んでいる。28日にはオープンスタジオで今まで制作した作品の一部を展示。あいちトリエンナーレ2016で国際展キュレーターを務めた服部浩之さんと共にトークイベントを開催した。

 トークイベントではこれまでの代表的な作品をスライドで紹介。オープンスタジオに来場者を案内し、展示と制作風景の映像で自身の取り組みを解説した。続いて長者町をリサーチしたうえでの今回の制作プランの概要を説明。「以前から、取り壊しで無くなる建物を起点に制作したいと考えていた。建物が無くなった後に、街の中に設置したアート作品をどのように残していけるのかに、とても興味がある」と話す。現在は会場となる建物、展示内容などを検討している段階だという。

 川田さんは「自分が今、興味を持っている取り組みと長者町の募集内容がぴったりと合うと感じたので、応募させていただいた。この1週間で長者町のほか、栄や名駅などを歩いたが、風景も特徴もそれぞれ違う。いい作品制作ができそうな予感がある」と意気込みを語った。

 黒田さんは「長者町に吹く風、『いつかのひこうき』」という制作プランで2月上旬から滞在制作に入る予定。3月の成果展までの間、アーティスト滞在中は制作現場の見学が可能。

 開館日は水~土曜。開館時間は11時~19時。入場無料。

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