三河湾の日間賀島で初の野外音楽フェス-地元漁師らが屋台も

「第0回 海と島から」フライヤー

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 名古屋を中心に、飲食業やスポーツ事業、イベントなどを企画・プロデュースするコープス(名古屋市中区新栄2)は9月29日、日間賀島(ひまかじま=愛知県南知多町)で野外音楽イベント「第0回 音楽と島屋台 海と島から」を開催する。日間賀島で同様の音楽イベントが開催されるのは今回が初めて。

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 日間賀島は知多半島よりの三河湾に浮かぶ島で、人口約2,200人、一周約5.5キロメートル。漁業が盛んで、なかでも日間賀島周辺で取れるタコやフグは全国的に見ても「味が良い」と評判だという。

 イベントでは6組のアーティストがライブ演奏を行うかたわら、地元旅館や漁師たちが屋台を出し、地元特産物を使用した「タコ飯」「ジャコ飯」「たこ焼き」「キスバーガー」「タコカレー」なども提供する。

 イベント開催の背景についてコープスの佐々木さんは「日間賀島には東西に2つの漁港がある。長い島の歴史の中で、漁業と観光、東と西がそれぞれ個別でイベント行事をしてきた。これまで『島全体が一つになって何かをする』ということがないに等しい状況だった」とし、「今後、島をより良くし、盛り上げていくためには、立場や地域などを越えて、島が一つになることが必要なのではと考え、日間賀島青年部の人たちが立ち上がったのが3年前。その思いに賛同し、最も良い形で島が一つになれるものは何か?と考えた時に思いついたのが『島で野外フェスを行う』ことだった」と振り返る。

 しかし、「イベント開催までにはさまざまな困難が立ちはだかっていた」と佐々木さんは続ける。「イベントには青年部の5人以外のほとんどの島の人が難色を示していたと言っても過言ではない。もともと何年も前から多くの課題を乗りこえて作り上げてきた今の日間賀島。その島の諸先輩たちに、いきなり協力し合おうというのも難しい話。まして『野外フェス』を体験したこともない島の長老たちに、イベントが一体どのようなものなのかを説明し、理解してもらうまでにもとても長い月日を費やした」という。

 そうした状況のなか、佐々木さんと青年部の人たちは根気よくイベント開催の理解を求めて島中を回り、さまざまな人たちと話し合いを続けることで、今年に入りようやくイベント開催の兆しが見えてきた。これまで理解を示さなかった島の人たちが「そこまで言うなら一度やってみよう」と協力の姿勢を示し始めてくれたという。

 イベント開催まで1週間と迫った今では、「どのようにタコを提供したら喜んでもらえるのか」「アワビも提供したらいいのでは」「車エビも提供できるぞ」「島の木の無駄な枝を切って、日よけを作ったらどうか」などの積極的な意見が次から次へと出てくるようになった。イベントのために臨時船を運行したり、普段、一般には開放していない漁港を開放したりと、島が一丸となってイベント来場者を迎える準備が着々と進んでいる。

 佐々木さんは「島にはおいしい魚介類やきれいな海、のんびりできる島の空気といった、良い要素が多くそろっている。島の人たちが一つになることで、より強力に島の良さを外に伝えることができるのでは。今回は、そのための土台作りも兼ねていたので『第0回』とした」とし、「今では島の人たちと、10年はイベントの開催を続けようと話している。これを機会に日間賀島の素晴らしさをより多くの人たちと分かち合うことができれば」と、イベントへの期待を込める。

 主な出演アーティストは、今野英明、タテタカコ、ビューティフルハミングバード、アナム&マキ、ハンバートハンバート、Ett。開催時間は、開場=11時、開演=12時~19時。チケットは、前売り=1,500円、当日=2,000円。

「第0回 音楽と島屋台 海と島から」公式HP

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