銅造形作家の父子ユニット「カッパーズ早川」、ラシックで個展

ゾウをモチーフにした作品

ゾウをモチーフにした作品

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 父子による銅造形作家の親子ユニット「coppers早川(カッパーズ ハヤカワ)」の作品を展示する個展「銅の不思議な世界」が7月18日より、ラシック(栄3)5階のクリエイトスクエアで始まった。主催は、作家・デザイナーの支援活動を行い、同フロアでショップ「cabinet ATELIR(キャビネット・アトリエ)」(TEL 052-259-6526)を出店しているキャビネット。

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 息子の早川篤史さんと父の早川克己さんによる「coppers早川」は、2002年より銅作品の制作活動を開始。克己さんもともと機械設計を家業で営んでいた。きっかけについて篤史さんは「両親の新婚旅行土産で家にずっと飾ってある銅製の壁掛け人形を見て、赤のような黒のような、いい色がでるもんだな~」という思いから一度作品を作ってみようと始めたという。

 父子共に芸術経験もなく、独学で同時に始めたといい、「最初はピカピカの銅板にどうやって味わいのある色を付けるかわからず試行錯誤した。ラー油やしょうゆ、酢などにつけてみたこともあった」(篤史さん)というエピソードも。今は硫黄で染めた銅と真鍮(しんちゅう)を使い、自宅にある同じ作業台で親子並んで制作に取り組んでいるという。コンセプトは「かっこよすぎず、かわいすぎず、気持ち悪すぎず。ちょっとヌケている方がちょうどいい」(同)。

 2003年3月に東京・府中で行った初個展を皮切りに現在、名古屋、東京などで個展を数々行う。2004年にはテレビ東京系列「たけしの誰でもピカソ」アートバトルに出演するほか、2005年には押井守監督の依頼で「愛・地球博」の企業館「夢みる山」のテーマゾーン「めざめの方舟」入口のオブジェを制作した。今まで制作した作品はキーホルダーなど細かいものを除き約400点にのぼるという。

 通常、作品はそれぞれで制作を行い、大きなものに関しては主導権を決めて共同制作を進める。「それぞれこだわりがあるので、一緒に作るとけんかになることも。ただ、同時に始めて、師弟関係もなく親子なので、取った取られたはない。新しい作品を作った際などは互いに参考にし、相乗効果につながる」(篤史さん)。

 作品はどれも細やかで、あえて残しているという銅板の打ち跡が味わいを深めている。銅板、銅線、棒状の銅、パイプ状の銅、ボタンなどのパーツを使い、バネ状のパースは銅線を巻き付けて作るほか、プロペラをオリジナルで制作、縫い目の表現など細やかな技も。「ほとんどデザイン画は描かない。描いても落書き程度」という篤史さんは、最初に動物や乗りものなどモチーフだけを決め、構造やデザインは制作しながら形にしていくという。どこかSFチックな雰囲気が出ており「実在するものをモチーフにするがそのまま銅作品に仕上げるのではなく、想像で変化を加える。作りながら、どんどんアイデアが出でてくる。SFっぽくなってしまうところを、銅の素材、色を生かし、温かみのある作品に仕上がっていると思う」と話す。「作品にメッセージを込める有名な作家さんとは違い、自分の作品は宝物みたいな感じでいいかな、と思っている。意味とかを付けてしまうと難しくなってしまうので。作品の見た目も一般的でわかりやすいと思う」とも。

 作品は販売も行う。価格帯は、1,300円~4、5百万円と幅広い。営業時間は11時~21時。展示は7月27日まで。

サカナをモチーフにした作品(関連画像)オリジナルのプロペラをつけた作品(関連画像)腕が可動式のカメラを構えたキャラクター(関連画像)cabinetcoppers早川

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