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愛知県芸術劇場で「ミニセレ」第1弾 「音」になった体が語る不条理劇

ヌトミック額田大志さん(右)と細井美裕さん (C)comuramai/takaramahaya 細井美裕(C)Ken Hirose

ヌトミック額田大志さん(右)と細井美裕さん (C)comuramai/takaramahaya 細井美裕(C)Ken Hirose

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 ヌトミック+細井美裕の公演「波のような人」が4月27日・28日、愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)小ホールで上演される。

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 愛知県芸術劇場が主催する企画「ミニセレ」シリーズの2021年度の第1弾。ミニセレは、同劇場のプロデューサー陣が小ホールを会場に「いま観(み)てほしい作品」を多様なジャンルから選出する前衛的、実験的なプログラム。本年度は音楽、演劇、舞踊などが上演される。

 ヌトミックは演出家・作曲家・劇作家の額田大志さんを主宰に2016(平成28)年に結成された演劇カンパニー。「上演とは何か」という問いをベースに、音楽のバックグラウンドを用いた脚本と演出で、パフォーミングアーツの枠組みを拡張していく作品を発表している。額田さんは愛知県芸術劇場が主催する第16回AAF戯曲賞で大賞を受賞している。

 細井美裕さんは愛知県岡崎市出身のアーティスト。マルチチャンネル音響を用いた空間そのものを意識させるサウンドインスタレーションや、自身の声の多重録音を特徴とした作品制作などを行っている。第23回文化庁メディア芸術祭アート部門で新人賞を受賞している。

 「波のような人」は額田さんが作・演出・音楽、細井さんがサウンドデザインを担当する「マルチチャンネルスピーカーと俳優のための演劇作品」。フランツ・カフカの小説「変身」を原案に、体がなくなり「音」に変身してしまった男とその家族を描く不条理劇。出演は長沼航さん、原田つむぎさん、深澤しほさん、岩渕貞太さん(音の出演)。

 額田さんは「今回の公演はマルチチャンネルシステムを使った演劇。スピーカーがたくさんある劇場の中で俳優がパフォーマンスをする。カフカの小説では主人公の男が虫になるが、本作は目に見えない音として空間に存在する。俳優たちが見えないものに対してどうパフォーマンスしていくのかが見どころ」と話す。細井さんは「普段は音の作品、サウンドインスタレーションを作っているが、今回は演劇をやっている額田さんと一緒。インスタレーションと演劇のコラボレーションができればと思っている」と意気込む。

 開演時間は27日=19時30分、28日=13時、19時。料金は一般=3,000円、U25=2,500円(年齢確認あり、要証明書)、高校生以下=1,000円。

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