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伏見ミリオン座で映画「この世界の片隅に」舞台あいさつ 片渕須直監督が来名

来名した片渕須直監督

来名した片渕須直監督

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 栄の映画館「伏見ミリオン座」(名古屋市中区栄1)で1月21日、公開中の映画「この世界の片隅に」の舞台あいさつが行われ、片渕須直監督が登壇した。

サイン会を行った片渕監督

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 同映画は「第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」などを受賞したこうの史代さんの同名漫画が原作。第2次世界大戦下に広島から呉に嫁いだ女性すずが、激しくなっていく戦争の中で大切なものを失いながら、懸命に日々の暮らしを営み、生きていく姿を描く。主人公すずの声をアニメーション映画初主演となる女優のんさんが演じた。

 片渕監督は日大芸術学部映画学科在学中に宮崎駿監督作品「名探偵ホームズ」に脚本家として参加し、1996年にテレビアニメーション「名犬ラッシー」で監督デビュー。2009年公開の監督作品「マイマイ新子と千年の魔法」では「第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞」を受賞した。

 上映終了後に片渕監督が登場すると、満員の客席から大きな拍手が起こった。監督は「映画を見ていただいて、ありがとうございます。広島での上映後に観客の方から『すずさんの広島弁は、うちのおばあちゃんにそっくりだ』と言われた。すずさんも今は90歳をちょっと過ぎたくらいになっているはず。すずさんの日々は大昔のことではなく、僕らがいる毎日とつながっているのだと感じる」とあいさつした。

 同作は昨年11月に全国63館での公開から動員を伸ばし、興行収入10億円を超えるヒットとなった。再上映になる映画館も多く、累計で250館を超えることが決まっている。伏見ミリオン座でも観客動員が2万人を突破。フランス映画「最強のふたり」を抜き、同館の動員数新記録を達成した。

 片渕監督は「伏見ミリオン座の11年でかけられたたくさんの映画の中で一番となったことは、本当にお客さまに感謝している。街の中で頑張っている映画館の皆さんと一緒になってやってきた映画が10億円を超えた。とても珍しく、初めてかもしれないこと。映画館に人が戻ってくるきっかけになっているなら、すごくうれしい」と笑顔を見せた。

 「ヨコハマ映画祭」「キネマ旬報ベスト・テン」での日本映画部門第1位など、さまざまな受賞やノミネートが続いている同作。「アニメーション部門だけではなく、一般部門で実写映画と並んで作品賞や監督賞を頂いている。昨年は『君の名は。』もあり、アニメーションはこんなこともできるのかと多くの人たちが気付いて、映画館に来ていただけるようになった。まだまだ上映が続いてほしい」と話す。

 最後に監督は「映画館の大きなスクリーンでなければ見られないくらい、多くのものを画面に込めたつもり。画面にはすずさんのいる世界が映っている。声も息遣いも、すずさんが本当にいると感じられるように録音した。たくさんの音と画面の中で生き生きとしているすずさんに会いに来ていただけたら」と多くの来館を願った。

 舞台あいさつ終了後、片渕監督はサイン会を開催。サインを書きながら、来場者一人一人に感謝の言葉を述べた。

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