産学共同デザインプロジェクト-グランプリ決定、今秋の商品化目指す

幾何学的な形のソファを提案したグランプリ作品(模型)

幾何学的な形のソファを提案したグランプリ作品(模型)

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 地元企業と学生の共同開発で一つの商品を生み出すプロジェクト「産学共同デザイン 5W×1H×3P」のデザイン審査会が4月3日、名古屋工業大学で行われグランプリ作品が決定した。主催は、住空間のデザインを手掛ける「TYPE A/B(タイプ・エービー)」(名古屋市東区代官町)とソファ専門店「フランネルソファ」(中区大須2)。審査会には名古屋工業大学伊藤孝紀研究室の学生らが参加した。

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 「5W×1H×3P」とは、Professional(企業)と学生のPersonality(個性)が、テーマに則して「5W×1H」の要素を抽出し一つのProduct(商品)を共同で生み出すプロジェクト。同プロジェクトは、企画を練るところから実際に商品化されるまでの過程を公開するのが特徴。「ものを作っていく過程をオープンにして、一般の人にもデザインを身近に感じてもらい、ものづくりで名古屋経済の活性化につながれば」と伊藤孝紀准教授。

 テーマは「子どもと一緒に使えるソファ」。子どもが生まれると子ども中心の生活になる家庭で、家族とともに成長していけるソファの提案を求めた。当日は、ゲスト審査員にタレントの原田さとみさん親子を招き、学生らがそれぞれ個性的な作品を発表した。「親子で座り方を楽しむドーナツ型ソファ」「組み合わせによってさまざまな形に変化するソファ」など、学生ならではの自由な発想で考えられた作品は審査員たちを楽しませた。

 グランプリは、幾何学的な形でコロコロと移動可能なソファを提案した富田有一さん(同大学大学院修士1年)。独創性、発展の可能性が受賞の決め手になったという。審査員のフランネルソファ和田さんは「バランスがとれ、計算された幾何学的な形に独創性と工業大学生ならではの面白さを感じた」と評する。富田さんは「設計が難しいが、ぜひ商品化したいので頑張ります」と意気込みを見せた。

 グランプリ作品は、実際の商品化に向けてタイプ・エービー、フランネルソファ、学生の共同作業で引き続きプロジェクトを進行する。次段階では、学生のデザインアイデアを基に、商品として使いやすいよう具体的な落とし込み作業を行う。最終的には、今年10月14日~25日に開催される名古屋のデザインイベント「NDW2009(ナゴヤデザインウィーク)」中、フランネルソファ大須ショールームでグランプリ作品の商品化発表をする予定。

 フランネルソファの和田さんは「グランプリ作品が、2つの企業と学生のアイデアを掛け合わせていくことで、どんな商品に変化していくかが楽しみ」と今後の展開に期待を膨らませる。同時に参加した学生たちに「ものづくりのプロセスがいかに大切かを実感し、将来に役立ててもらえれば。一つの物事にどう取り組むのかを重要視できるようになり、このプロジェクトをきっかけにどんどん上を目指してもらいたい」とエールを送る。

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