ファッションを中心とした切り口で「大須」の情報を配信するサイト「ooooosu!（オースッ！）」が配信を開始して1カ月が過ぎた。

　同サイトは、大須商店街を中心に展開する洋品店や飲食店、雑貨店などの店舗情報のほか、街で撮影したファッションスナップや、リレー形式のインタビュー記事、モデルを使って大須のさまざまな場所で撮影したファッション特集など、独自の視点で選んだコンテンツを配信している。

　運営するのは、大須に事務所を置きイベントや販促物などを作成する制作会社「ジョイントクリエーション」（中区栄3）。同社のメンバーは、もともと地元情報誌「スパイマスター東海版」の編集にライターやディレクター、カメラマンやスタイリストとして携わっていたという加藤芳久さん、小川正樹さん、小林雅己さん、鈴木啓司さん。そこにフリーウェブデザイナーの宮川真理さんが加わり、同サイトを立ち上げた。

　サイトのターゲットは25～35歳。「自分たちのフィルターを通して情報を発信しているので、自然と自分たちの年齢に近い人たちに向けた情報になっていると思う」と加藤さん。「店舗を紹介したり、スナップ写真を掲載したりすることで、情報を通して大須の街の動きを伝えることができれば」。

　サイト立ち上げに関して、加藤さんは「もともと大須の雰囲気やいろいろな店が好きだったこと、プライベートや仕事を通して知り合った大須の人々から地元の情報発信の方法を相談されたことなどがあり、サイト立ち上げを決意した」と振り返る。加藤さんが1年ほど温めてきた同企画。「一緒に楽しんでくれそうなメンバーに声をかけ、制作に向けて動きだしたのはサイトアップ予定日から1カ月半前のことだった」と笑う加藤さん。「でも制作は、メンバー全員ががっちりスクラムを組んで全力で走っていた」。

　小川さんや小林さんも「日々の生活にやる気が出た」「まだ始まったばかりなので大変だと思ったことがない」と話し、宮川さんは「フリーで活動を続ける自分は、こうした制作チームが組めることがうれしい」と意欲的だ。「何よりも自分たちが表現したいと思うことを好きにできること、それを『良いね』と言ってくれる人がいることがうれしい」。

　大須の魅力について、加藤さんは「これだけ個人商店が密集して活気のあるところは珍しいのでは。個性的な店が集まって、まとまりがないようだが、いざお祭りとなると団結力はすごい。動きが常にあり、街として出来上がっていない感じも魅力的」と話す。

　「サイトを通して、大須の『人』が見える情報をこれからも配信していきたい」と加藤さん。「大須にいく前に見てもらえるサイトになれば」とし、「年2回くらいはフリーペーパーを発行することができれば」と意欲をみせる。