名古屋の老舗和菓子店「青柳総本家」(本社=名古屋市守山区)が、人気商品「青柳ういろう」のパッケージを、昭和20~50年代に同社が使っていた柳宗理デザインのパッケージをモチーフにした復刻版にリニューアルした。復刻版は10月初旬より店頭に並んでいる。
「青柳ういろう」のパッケージデザインは、創業から132年の歴史を重ねる中で何度かリニューアルされてきた。青柳総本家の経営企画部長・後藤知成さんは「今回は、あえて一から新しくデザインするのではなく、過去のデザインの財産を生かしてリニューアルした。原点に返って『変わらぬ素晴らしさ』を追求していきたいという思いも込めた」と話す。モチーフにしているのは、1977(昭和52)年ごろまで使っていた柳宗理さんのデザインによるもので、約35年ぶりの復刻となる。
柳さんは、札幌オリンピックの聖火台やニューヨーク近代美術館の永久所蔵に認定されている「バタフライ・スツール」など、大掛かりなものから生活用品まで多彩なデザインを生みだしてきた工業デザイナー。2002年に文化功労者に選ばれている。
「当時のデザインと比べると、ロゴの大きさ、箱の側面や裏のデザインなどは多少、当社独自で現代的にアレンジしているが、おおむね以前のデザインを残した復刻版。過去のパッケージデザインの素晴らしさを再度、現代の皆さまにも伝えたい。新しくも、どこかレトロでかわいらしい伝統的な趣を楽しんでいただけたら」と後藤さん。
パッケージ変更に伴う価格の変更はない。大須直営店(中区大須2)など、全ての販売店で販売する。