パントマイムアーティストの山本光洋さんが4月10日、愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)小ホールで「山本光洋パントマイムソロライブin NAGOYA 2013」を上演する。公演に先立ち、来名した山本さんが舞台の見どころを語った。
山本さんは米国で3年間、マイムの基礎を学び帰国。東京を拠点に国内外の舞台、イベントなどで活躍している。豊かな表現力とシャープな動きで「あやつり人形チャーリー山本」のパフォーマンスなど、独自の世界をつくり上げている。「大須大道町人祭」への出演などで名古屋でも人気のアーティストだ。
今回の公演は1年半ぶり、名古屋では4回目のソロライブ。「年1回ペースでやってきたのが1年半空いたのは、2011年のパントマイム人生30年記念ライブで持てるものを出したから。30本の作品をやり、構成をつくる上で間に挟んでいくような小さなネタも全て出し切った」と明かす山本さん。
満を持しての名古屋公演は、約1時間30分の舞台になるという。「いつもラストにやるチャーリー山本は新作を披露する。まだ、構成の全ては決まっていないが、これをやりたいと思っている作品がいくつかある。おじいさんがバーチャルゲームの世界に入っていく作品や、目の前にいる生き物をパントマイムでお客さんに想像させ、その想像をどんどん裏切っていくような作品を考えている」と見どころを語る。
今回は「パントマイムソロライブ」というとてもシンプルでストレートな公演名。「ストレートなタイトルにしたのは、お客さんに何の公演か分かるようにするため。今回は初心に戻るというわけではないけれど、初めて名古屋でやった時のような気持ちになっている。踊りや演劇が好きで見に行くという人は多いが、パントマイムだから見に行くという人は少ないはず。だから、パントマイムをやる人は、それぞれが面白くなければいけない。それがパントマイムをやる人たちの宿命だと思っている」と意気込みを見せる。
自分のパントマイムを「何でもあり」と話す山本さん。「高校は落語研究会で、大学は演劇と言葉のあることをやっていた。最初のころは言葉を使わずにパントマイムを演じていたが、ずっと疑問を持っていた。自分は動きを基点として作品を作るので、間違いなくパントマイムの人間。でも、今は言葉が必要だと思ったら使う。言葉から想像したものと、動きから想像できるもののギャップを生み出すことも面白い。どんな言葉を選ぶかは難しくて悩むが、いろいろな見せ方、方法論があっていいと思っている」
山本さんによって生みだされるキャラクターは、思わず噴き出してしまう楽しさとともに、哀愁や温かさも印象に残る。また、キャラクター以上に山本さん本人の佇(たたず)まいに引かれるファンも多い。「人を笑わせることが好きなので、目指しているのは楽しませる作品。作品の合間に真顔になって考えているのが、哀愁のように伝わってしまうのかも。僕も結構な年齢になったので、若い人が佇んでいるよりも何か伝わるものがあるのかもしれませんね」と笑顔。
「パントマイムを見せるのではなく、パントマイムを使って面白いものを見せたいと思って作品を作っている。初めての人が見ても楽しめる舞台になっているはず。ぜひ、劇場に足を運んでいただけたら」と来場を呼び掛ける。
開演は午後7時30分。料金は前売り3,500円、当日3,800円)。未就学児童は入場不可。問い合わせはソーホー・ジャパン(TEL 052-243-1030)まで。