名古屋テレビ塔の北エリアに「遊び心を持つ紳士のための洋服」をコンセプトにしたセレクトショップ「Toron(トロン)」(名古屋市東区泉1、TEL 052-955-8688)がオープンして2カ月が過ぎた。
店舗面積約15坪の店内には、オーナーの広崎圭祐さんがセレクトした国内外のブランドがセンスよく並ぶ。もともとテレビ塔近くのセレクトショップで約8年働いていたという広崎さんは、ファッションの魅力について「例えば、同じコーヒーを飲むにしても紙コップで飲むのと陶器のカップで飲むのとでは気分が違う。洋服も同じで、暮らしに彩りを持たせてくれる」と話す。
来店客の多くは「自分の年齢(36歳)の前後が必然的に多い」(広崎さん)というが、「取り扱っている洋服が全て、トラッドが根底にあるので、『気持ちの若い大人の人』や『大人志向の若い人』にも喜んでもらえている。実際には20代前半から50代の方までと幅広い層が来店してくださっている」とも。
主な取扱ブランドは、「パリにアトリエを構える日本人デザイナー。トラッドという堅苦しい範囲の中で、独創的で遊び心のあるものづくりをする姿勢に引かれる。ボタンや生地、ちょっとしたディテールにまで全てにこだわりを感じる」という「m’s braque(エムズ ブラック)」や、「1本の糸選びから始まる生地作りから行っているブランド。オリジナルで大人の枯れたムードを出すのが非常に得意なブランドで魅力的」という「08sircus(ゼロハチサーカス)」など。ほかに、「H?katsukawa from Tokyo(エイチカツカワフロムトーキョー)」「Peter Jensen(ピーター・イェンセン)」「Hirohisa & Lewis*(ヒロヒサ アンド ルイス)」などを扱う。
主な商品は、エムズブラックのオックスフォードボタンダウンシャツ(2万3,100円)、ゼロハチサーカスのマドラスチェックジャケット(5万9,800円)、エイチカツカワフロムトーキョーのニベ革を使ったレザーシューズ(6万9,300円)など。「以前と比べて今は、よりそれぞれのデザイナーと近い距離で仕事ができていることがうれしい」と広崎さん。
独立後初めてのショップを泉に出したことについて、「この街は歩くだけでも気持ちが良くて空気感がとてもいい。テレビ塔を境にして北側は空気が変わると言ってもいいくらい」と話す。「いくら店の中の雰囲気を良くしても、外に出てその場所がごちゃごちゃしていたりしたら、そこですべてが台無しになってしまうので」とも。「この街にはポテンシャルがある。この店に来てくれるお客さまには、日常の中の何気ない喜びを発見してもらえることができれば。この周りにはすてきなお店もいくつかあるので、お客さまにはそうした情報も発信しながら、『この街に来ること自体が楽しい』と思ってもらえるようにしたい」とほほ笑む。
営業時間は12時~20時。火曜定休。