名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)が同社創立60周年を迎え、7月1日、これからのテレビ塔の在り方などを見据えた新たな事業計画を発表した。
テレビ塔内で開催された会見には、初代社長の神野金之助さんの息子の三男さんや、名古屋テレビ塔を設計した内藤多仲(たちゅう)さんの息子・多四郎さん、当時内藤さんと共にテレビ塔の設計を手伝った田中彌壽雄さんも駆け付けた。
大澤和宏社長は「戦後の焼け野原に生まれたこの塔は、テレビ事業に合わせ、『東洋のエッフェル塔を目指そう』と観光事業も視野に入れて建設されている」と振り返る。「食べるものにも不便だった時に、『観光』という要素を加えての建設はとても新しい試みで英断だった」とし、「こうした先進性、先見性を受け継ぎながら、還暦を迎える今年、新たに原点に立ち返り『これからの名古屋のまちづくり』を大切にしながら、地域に役立つ活動をしていきたい」と思いを述べた。
同社は、塔の開業60周年を迎える来年に向けて、「シンボルタワーとしてのイメージ発信の強化」「音楽やアートなどを使った賑(にぎ)わいづくりの創出」「防災拠点として位置付けの強化」「まちづくりに向けたネットワークづくり」「最新技術を導入した塔体ライティングのリニューアル」の5項目を、この1年間で取り組んでいくという。
大澤社長は「名駅エリアに押され気味の栄エリアに危機感を感じている。私たちはテレビ塔だけの再生を考えるのではなく、まち全体を盛り上げ地域のブランド力を上げていくことを、若い人たちと共に新しい風を入れながら考えていく必要がある。これからの1年間の動きをぜひご注目いただきたい」と意気込みを述べた。