「世界フェアトレード月間」として現在、名古屋市内を中心にマーケットや講演会、上映会や体験型イベントなど50のフェアトレードイベントが開催されている。
毎年5月の第2土曜は「世界フェアトレード・デー」として、フェアトレードをアピールするためのイベントやキャンペーンが世界中で行われている。
名古屋テレビ塔(名古屋市中区錦3)や久屋大通公園もちの木広場では5月10日、「世界フェアトレード・デー・なごや2014」が開催された。主催は、市民・学生などのボランティアで構成される「フェアトレードタウンなごや推進委員会」。「地域と世界を、そして今と未来とをつなぐ『地球とのフェアトレード』」をテーマに、ファッションショーやトークイベント、ライブやマルシェを展開した。
40軒以上の出店があった「フェアトレード・マルシェ」では、「お買い物で世界を変えよう!」を合言葉に、伝統工芸や手仕事の服飾品や雑貨、自然農法・地産地消の野菜や食品、コーヒーや紅茶などを販売した。
「地球のゆかいな仲間たちトーク・ステージ」では、文化人類学者の辻信一さんや大村秀章愛知県知事、コミュニティ・ユース・バンクmomo代表理事の木村真樹さん、リアル・スタイル社長の鶴田浩さん、環境省中部環境パートナーシップオフィスの新海洋子さん、Eco-Branch代表の鶴田紀子さんら9人のゲストを招いて、同委員会代表の原田さとみさんの進行のもと、「地球とのフェアとは?」についてのトークを繰り広げた。
「今年の秋には愛知でESDユネスコ世界会議が行われる。地球を次の世代につないでいきたい」と大村知事。にんじんCLUB代表の伊勢戸由紀さんは「地球を思って、地球とのフェアトレードを感じられるような呼吸をしよう」と呼び掛けた。クラタペッパー社長の倉田浩伸さんは先の問いに対して「価値観の多様性が地球とのフェア」と答え、愛知淑徳大学准教授の小島祥美さんも「多様な価値観が、つながりや国籍を問わず、暮らしやすい地球をつくっていく」と話した。最後に辻さんは「現代社会の豊かさが、未来の生物が生きていくための基盤を食いつぶしている。地球とのフェアとは未来とのフェアであり、未来をつくる力や勇気を持って、一歩ずつ進み始めていこう」と呼び掛けた。
イベントを終えて、原田さんは「さまざまな分野の人々が集い、手をつないで、みんなの『ビッグ・テント』になった。中学生による合唱やよさこいなど、190人のスタッフがそれぞれの表現を持ち寄ってイベントを創り上げることができた」と笑顔を見せた。17日には、原田さんが運営する名古屋テレビ塔1階のエシカルショップ「Ethical Penelope(エシカル・ペネロープ)」でフェアトレード・トーク・ナイト「nimai-nitaiデザイナー・廣中桃子。美しくたくましい~インドの大地から~」も開催する。
詳しくは同店で配布中のタブロイド判「5月のフェアトレード月間なごやイベントスケジュール」で確認できる。「世界フェアトレード月間」は6月22日まで。