大須の「シアターカフェ」（名古屋市中区大須2）で6月14日・15日、映画監督の天願大介さんが旗揚げしたプロジェクト「なまず映画、あるいは第二の選択」の第1弾作品「魔王」の上映会が開催される。

　天願さんは映画監督・今村昌平さんの長男。1990年に初監督作品「妹と油揚」でPFF審査員特別賞を受賞。その後、「AIKI」「デンデラ」の監督、「濱マイク」シリーズ、「十三人の刺客」の脚本など、多くの話題作を世に送り出した。

　「なまず映画～」は映画を取り巻く環境の変化で自由な表現が難しくなってきたことを憂いた天願さんが、自主製作、自主配給によって映画を上映していくために立ち上げたプロジェクト。誰かに撮ってほしいと頼まれた映画を撮るのではなく、自分たちが撮りたい作品を全て自費で自主的に撮ること、ルールに縛られずに普通の映画とは違う作品を作ることを目指している。

　上映場所は映画館ではなく、居酒屋、銭湯、寺社など、いろいろな施設を利用。今回のシアターカフェでの上映は関東以外での初の上映となる。

　「魔王」は奇怪な出来事が続く町を舞台に男女の戦いを描く作品。謎めいた男が現れてから、3年ごとに少女が消えるなどさまざまな事件が起こる町。ある日、男の正体を知る謎の美女が現れ、2人は壮絶な争いを繰り広げる。出演は若松武史さん、月船さららさんほか。

　同店の江尻真奈美さんは「自主制作、自主上映、自主配給にこだわったプロジェクトの初の地方上映。映画館では見られない作品を見られるチャンスなので、ぜひ足を運んでいただけたら」と来店を呼び掛ける。

　14日・15日とも上映開始は16時45分、18時45分。料金は1,200円。