プロレス観戦記サイト「たこ焼きマシン.com」を運営する「たこ焼きマシン」さんが、日本各地で活動するレスラーを紹介する本「ローカルプロレスラー図鑑2015」を発行した。
たこ焼きマシンさんは名古屋在住。鶴舞でプロレス興行を行う団体「スポルティーバエンターテイメント」を中心に、全国のローカルプロレスを観戦し、サイトで紹介している。「もともとプロレスが好きで、名古屋を拠点とするプロレス団体を中心に見ていたが、他地域にも数々の団体が存在することを知り、足を運ぶようになった。メディアはどうしても大手・老舗団体を中心に扱うので、既存の選手名鑑には地方団体のレスラーがあまり掲載されないことを残念に感じ、もっと地方の選手が掲載された本が欲しいと考えるようになった」と話す。
同図鑑は北海道の北都プロレスから沖縄の琉球ドラゴンプロレスリングまでの21団体に、海外の新台湾プロレス、フリーランスを加えた計180人のプロレスラーをオールカラーで解説。各団体のレフェリーやリングアナウンサーも写真付きで紹介している。愛知県は「チームでら」など5団体を掲載。写真は数点を除き、たこ焼きマシンさんが会場で撮影したものを使用。文章やデータも全て自ら執筆した。「既存の選手名鑑ではほとんど紹介されたことのない選手を数多く収録している。全国の団体を観戦しながら、それぞれに許諾をお願いしていった。写真は団体から宣伝用素材を借りて作るよりも、試合中のもののほうが選手の魅力が伝わると考えた。文章・データは各団体・選手にチェックをお願いし、校正に『週刊プロレス』元記者であり、現在はフリーランスで活動している鈴木健.txtさんに協力をいただいた。名鑑ではなく、図鑑としたのは子どものころに読んだ怪獣図鑑やヒーロー図鑑のようにビジュアルを中心にした本がいいな、と考えたため」
制作資金はクラウドファンディングに企画を発表し、支援を呼び掛けた。支援者数は300人を超え、募集開始2日目には目標の15万円をはるかに上回る金額が集まったという。「自己資金で出版してもある程度の部数は需要があると予想していたが、プロレスファンは基本的にお祭り好き、新しもの好きな部分がある。私と同じ思いを持つ日本各地のファンの方々の力をお借りすれば、単なる自費出版ではなく、プロレスファンで分かち合える活動になるかもしれないと考えた。クラウドファンディングは支援者の人数が分かるので、各団体にお願いする際も賛同者の数を伝えることができる利点がある。予想以上の人数・金額になったため、少しだが予定数よりも多く印刷することができた。匿名希望の方を除き、支援者の名前を図鑑に掲載することも一つの魅力になったかと思う」
完成した図鑑はクラウドファンディングの支援者への発送を完了した後、5月17日に名古屋国際会議場で行われた「愛プロレス博2015~光~」で限定80部を販売した。今後も書店販売、通信販売は行わず、愛知県をはじめとしたプロレスの試合会場で販売する。6月21日に千種文化小劇場で行われる「今池プロレス商店街13」で40部を販売、ほかの大会での販売も予定している。「ローカル団体へ足を運んでいただくきっかけになってほしいので、発送は行わず会場のみでの販売にした。増刷は行わないので、現在私の手元にある分を全て販売したら終了。2016年版の制作については現時点では未定。今回の制作は、スポルティーバエンターテイメントをはじめとした名古屋のプロレスが熱を持ち、全国的にも注目を集めているからこそ生まれた活動。ぜひ、ローカルプロレスの魅力に会場で触れていただけたら」と呼び掛ける。
仕様はA4判、60ページ。価格は2,000円。