名古屋市在住のイラストレーター、陽菜(ひな)ひよ子さんが10月28日、夫婦で「成人型アトピー」の治療に挑んだ日々を描くコミックエッセー「アトピーの夫と暮らしています」(PHP研究所)を出版した。
愛知県清須市出身の陽菜さんは2006年、イラストレーターとしての活動を始め、同年5月に造事務所との共著で「やさしい写仏ぬり絵帖」(ダイヤモンド社)を出版(カバーイラストとぬり絵提供)。温かみのあるほっこりとした画風で、その後も数々の書籍にイラストを提供するほか、ライター、コラムニスト、漫画家としても活動を続けている。
同書は陽菜さんの夫でフォトグラファーの宮田雄平さんが患う「成人型アトピー」について、夫婦の闘病生活を明るく前向きに、病気のことを知らない人にも分かりやすく読んでもらえるよう多くのイラストを交えて紹介したもの。
11月7日には「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3)で出版記念トークショー&サイン会を開催。20人以上が集まった。中には、陽菜さん・宮田さん夫婦と同じ境遇で、パートナーがアトピーのため興味を持った参加者も。
「アトピーを持つ人は我慢強い患者さんが多いように思うが、パートナーや周りの人に頼ってみることも一つの選択肢なのでは。これまでいろいろな人に支えてもらってきたので、アトピーを治してから恩返しをしたい」と宮田さん。陽菜さんは「この本を読んだ人が、夫のために頑張ってきたのは私だけだと思うことは心外。私自身、夫に支えられてここまでこられた」と笑顔を見せる。
「私たちが治療してきたことについては読み手によって感じ方は違うと思うが、情報は役に立つのでは。アトピーとはどんな病気なのかを知る入門書として手に取ってもらえれば」と呼び掛ける陽菜さん。「今後はアトピーに悩んでいる人と触れ合う機会を増やし、病気について話せるような場を作りたい」と意気込む。
175ページ。価格は1,296円。