愛知県は1月20日、昨年8月21日~10月31日の72日間にわたって栄周辺や長者町エリアで開催された「あいちトリエンナーレ2010」の経済波及効果について発表した。
それによると、同トリエンナーレの総入場者数は57万2,023人で、愛知県内における経済波及効果は約78億円だった。「短期的な経済効果を目的として開くわけではなかったため、目標とする経済波及効果などは設定していなかったが、ほかの同様の芸祭の結果と比べても、それを上回るかひけをとらない結果だった」と同トリエンナーレ担当者。
今回、長者町関係者によるアンケート結果も公表された。それによると、「長者町で開催して良かった」という質問には87%が「よかったと思う」と答え、「どちらともいえない」は13%だった。「期間中にぎわったか」という質問に対しては、「大変にぎわう」=47.8%、「にぎわう」=47.8%、「どちらともいえない」=4.4%だった。「トリエンナーレは成功だったと思うか」という問いには、「大成功」=34.8%、「成功」=52.2%、「どちらともいえない」=13.0%という結果だった。
こうした結果を踏まえ、同担当者は「あいちトリエンナーレでは、愛知から新しい芸術を世界に発信し、そうした活動を通して魅力的な街づくりにつなげたいと思っていた当初の思いが少しでも形になったと言えるのでは」と話す。「今後アンケート結果をよりくわしく分析していくので、改善点や反省点などが出てくると思う。そうした結果は今年の3月に発表する予定。その結果を受けて、次回の開催に繋げていきたい」とも。
1月25日には、同トリエンナーレで紹介した作品と、その解説を掲載した公式カタログの発売も予定している。「カタログは、トリエンナーレの一つの記憶となるので、来場された方はこれを見て当時の感動を思い出してほしい。来場できなかった方にも現代美術との出合いの一つのきっかけとして楽しんでもらえるのでは」。公式カタログのサイズはA4変型判で332ページ。発行部数は5,000部を予定。価格は2,500円。