不要になったラジオを欲しい人に-ZIP-FMの番組が「ラジオ設置企画」

左=ディレクターの鈴木克朗さん、右=ナビゲーターのヒライユミカさん。集っているラジオとともに

左=ディレクターの鈴木克朗さん、右=ナビゲーターのヒライユミカさん。集っているラジオとともに

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 地元FM局ZIP-FM内の番組「Radio Kick(レディオキック)」は現在、不要になったラジオを集めて、欲しいと思っている人に配布する企画「ラジオ設置企画」を展開している。

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 昨年11月から始めた同企画は、家で眠っているラジオを番組に譲ってもらい、欲しいと思っている人に届けるもの。開始の経緯について、同番組のディレクター・鈴木克朗さんは「番組の宣伝で出向いた街中で、『ラジオ自体が手元になくて、あまり聴かない』といった声や『車や会社でしか聴かない』といった声を多く耳にした。少しでも現状を変えることができれば、と思い企画を考えたのが始まり」と振り返る。

 当初は、オリジナルのラジオを作り街行く人に配布しようと考えていたが、企画を練っていくうちに、「家庭などで眠っているラジオなどをリスナーに提供してもらい、それを必要としているリスナーに届けることで、つながりもみえて良いのでは」との意見に達し、リスナーから譲る側と欲しい側の両方を受け付けることにしたという。

 「もともと番組の知名度を上げたいと思い始めた企画だが、予想以上の反応の大きさに、スタッフ間でも改めて『ラジオの強さ』を再認識させられた」と鈴木さん。「実際にラジオを受け取る際にも届ける際にも、スタッフが直接リスナーの元に出向き言葉を交わしている。そこで聞く話しはどれも感動があり、ストーリーがある」という。

 「例えば、『テストでいい点をとった時に父親に買ってもらったラジオ』ということなど。大切にしているものだからこそ、捨てられずにとっておいたものだが、『こういう企画になら』と、提供を決意していただいた方がとても多い」。

 同番組のナビゲーターを務めるヒライユミカさんも「ここに集っているラジオにはそれぞれのストーリーがある。そうしたストーリーや思いも電波に乗せて届けることができれば」と思いを込める。実際にラジオを届けてもらったリスナーからも、「ラジオが家でもきけるようになってうれしい」「恋人と一緒に外で聴いている」などのメッセージが多く寄せられているという。「ゆくゆくは、学校や老人ホームなどへもラジオを届けることができれば」と鈴木さん。

 現在集っているラジオは3月中に配布する予定で展開。4月以降も引き続き企画を続ける方向で調整中だという。ラジオ企画は毎週水曜日に同プロジェクトの進捗(しんちょく)を伝えている。放送時間は月曜~木曜の19時~。

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