今年で11回目を迎える「長者町えびす祭り」が11月12日・13日の2日間、中区錦の長者町エリアで開催される。昨年の来場者数は2日間で延べ約10万人。今年も同様の来場者数を見込む。
昨年と一昨年は、昨年に開催された芸術祭「あいちトリエンナーレ2010」との共催で行った同祭。「今年は久しぶりの単独開催なので、より『街』を生かした祭りにしていきたい」と同祭実行委員会の田中敬之さん。
今年のテーマは「わらしべ長者まち育て」。転んだ拍子につかんだ1本のわらからさまざまな出会いを通して長者になるという、日本昔話の「わらしべ長者」のように、一つひとつの出会いを大切にしながら、シャッター街になってしまった長者町を元気にしようという思いを込める。
「栄の中心に位置しながらコンビニなどもなく、このエリアに住む人も400人程度しかいないため、スーパーなどもない」と田中さん。「戦後は服飾関係の問屋などが集まって豊かな街だったが、今はシャッターで閉まる店が多いが面白い魅力もたくさんある。祭りを通して、多くの人が長者町に来て、『こんな街なんだ』と知ってもらえれば」という。
あいちトリエンナーレ開催の拠点となる同エリアでは、昨年の開催を機に多くのアート作品が同エリアに残った。その中の一つが「アート山車」。「昔は長者町にも山車があったそうだが東区に譲ってしまったそうで、この街には山車がしばらくなかった」と田中さん。「昨年のトリエンナーレでは、街の人が作ってみんなで維持していく山車を作ろうと、参加アーティストが作ってくれた。今年はそれをみんなで引く」という。
そのほか、みこしや子ども太鼓が登場するほか、大須のアイドルユニット「OS☆U(オーエスユー)」、あいち戦国姫隊などのパフォーマンスも予定。フリーマーケットなどの出店ブースは昨年から20店ほど増え、160店が軒を連ねることになるほか、東北を応援する東北物産の即売会なども予定する。
「長者町は、栄の真ん中にありながら、古くから続くビジネス街として歴史が感じられる街。古い街だからこそ、人とのつながりが広く、しっかりしている。そうしたつながりがあるからこ、これだけの規模のお祭りも、街の人たちが手弁当で行える。この街には底力がある。そうした魅力を多くの人に知ってもらい、街を元気にしていきたい」と期待を込める。
開催時間は、1日目=10時~17時、2日目=10時~16時。