名古屋市公館(中区三の丸3)で2月14日、「ショートストーリーなごや」の第5回コンテスト事業表彰式と第4回ショートフィルム完成披露会が開催された。
「ショートストーリーなごや」は、名古屋を舞台としたショートストーリー(短編小説)のコンテスト。新しい才能の発掘と、名古屋のまだ知られていない魅力を全国へ発信することを目標に開催されている。
5回目を迎えた今回は過去最高となる374編の応募があり、大賞1編と佳作2編が選ばれた。
大賞には、名古屋市出身で宮城県大崎市在住の野々村務さんが輝いた。受賞作品「過去を描いた伊藤さんの話」は、栄の久屋大通公園で昔の風景を描き続ける老人の物語。野々村さんは「故郷でもある名古屋で過ごしたころの思い出、そこで見たり学んだりしたこと、そして現在、宮城に住む自分の思い。それら全てがにじみ出たような話になった」とコメントした。
最終選考委員長を務めた作家の清水義範さんは「コンテストは5回目を迎えたが、応募も増え、作品のレベルは高水準を保っている。応募作はバラエティー豊かで、大賞受賞作も毎年タイプが違う。今回は入賞3作品のほかにも何かの賞をあげたい応募作が、まだいくつかあった」と総評を述べた。
同日、第4回の入賞3作品を映像化したショートフィルム完成披露会も行われた。過去の映像化事業で選ばれた監督は、映画祭での受賞や長編映画の公開を予定しているなど、活躍の幅を広げている。監督最終選考委員長の熊澤尚人さんは「ショートストーリーなごやから多くの映画監督がステップアップしているのは、すごくうれしいこと。今回選んだ3人はコミュニケーション能力が高い監督。より多くの人に、この作品を届けてほしい」と期待を寄せた。