愛知県美術館(東桜1、TEL 052-971-5511)と名古屋市美術館(栄2、TEL 052-212-0001)は,共同企画「桑山忠明ワンルームプロジェクト2006」を開催している。同展は、一対の作品を反復して展示するもので、それぞれの展示空間(ワンルーム)が新たに設けられ「空間全体が作品と考えるべきもの」(関係者)だという。展示数は、愛知県美術館(展示室6、110平米)=26点、名古屋市美術館(常設展示室3、158平米)=20点。名古屋出身の桑山さんは、ピュア・アート(純粋美術)を一貫して探求してきた、世界的に活躍する現代美術家。共同企画の開催は、1995年に行われた「還流-日韓現代美術展」以来で、今回は桑山さんからの提案がきっかけとなった。同じ作家が同じコンセプトで制作した異なる作品を別々の場所で展示することで、その対比を見せるものだという。愛知県美術館担当者は「鑑賞者が複数の展示会を見ることで、作家の考えをより理解できる。展示の違いや部屋の違いが浮かび上がり、作品を通して各美術館の空間の違いを感じられるのでは」と話しているほか、名古屋市美術館担当者は「2つのワンルームを見比べることで桑山芸術をより楽しめ、より理解できるだろう。今回は特別展ではなく常設展として開催しているので、恒常的な美術鑑賞の場を提供することで美術館のファンを増やしたい」と期待を寄せている。愛知県美術館での開催は7月23日までで、観覧料は500円。名古屋市美術館は7月17日までで、観覧料は300円。
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