栄の映画館「センチュリーシネマ」(名古屋市中区栄3)で12月5日から、人間とアンドロイドが共演した映画「さようなら」が公開される。
人間の俳優と機械のアンドロイドが共演する演劇プロジェクトから生まれた同名戯曲の映画化。舞台版は劇作家・平田オリザさんとロボット研究者・石黒浩大阪大学教授が共同でプロジェクトを進め、2010年に愛知県で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2010」で初演が行われた。芸術と科学をコラボレートさせた先進性と完成度が話題を呼び、国内外さまざまな演劇祭、劇場で上演されている。
映画版は平田さんの主宰する劇団「青年団」の演出部出身で、「ナント三大陸映画祭」グランプリ、若い審査員賞をダブル受賞した深田晃司監督がメガホンを取った。生と死を問い掛ける舞台版に原子力問題などの視点を加えて長編映画化した。
物語の舞台は放射能に侵された近未来の日本。国民は計画的避難体制の下、次々と国外へ避難する。優先順位が低い外国人難民のターニャは、病弱な彼女を幼いころからサポートしているアンドロイドのレオナと共に、汚染された街に取り残されていく。
主人公ターニャは2010年の舞台版でも同じ役を演じたブライアリー・ロングさん。共演するアンドロイド「ジェミノイドF」は大阪大学の石黒教授の知能ロボット学研究室で開発され、2011年以降の舞台に出演している。