今池の中華料理店「ピカイチ」(名古屋市千種区今池1)で2月10日、名古屋グランパスについて語り合うイベント「グランパスナイトin今池」が開催された。主催は「なごや朝大学」。
なごや朝大学は「大人になった今こそ学びたい」をコンセプトに、出勤前の社会人らに向けて朝の時間を利用した講座を行う市民大学。同イベントは「グランパスがわがまちのチームであり続けるために」をテーマに、中日ドラゴンズなどスポーツを応援する店として親しまれているピカイチを会場に開催。グランパスのファンリクルーティンググループや広報グループ、今池商店街連合のスタッフらが参加し、受講生らと意見を交換した。
なごや朝大学事務局の林大策さんは「市民大学として3年目を迎え、地域、食などをテーマに年間約100人の方に通っていただけるようになった。さらなる広がりを目指して夜に行う『朝大ナイト』という企画も開催している。今回はグランパス、今池商店街に協力いただいて行うサッカーを語る夜。ドラゴンズと言えばここ、という店でグランパスについて語り合うのも面白い。クラブや街に対する自由な意見を出してほしい」とあいさつ。
グランパスファンリクルーティンググループの佐藤剛史さんは、さまざまな資料を配布してクラブの活動を紹介。「Jリーグは今年で24年目を迎えるが、スタートから掲げている理念の一つに、豊かなスポーツ文化の振興がある。サッカーだけではなく、スポーツ全体で地域が盛り上がっていくことを目指している。グランパスは街と一緒にスポーツ文化を作っていく思いで活動している」と話した。
佐藤さんは昨年、クラブが発表した「愛されたいクラブ宣言」を説明。「グランパスが地域の人にとって満足度の高いコンテンツになること、アジアで優勝を狙える強いチームになること、そしてスタジアムを素晴らしい劇場空間にすることを目指す。この2年ほどクラブは地域密着に力を注いできたが、まだまだ試行錯誤。いろいろな意見をいただきたい」と呼び掛けた。
今池商店街は名古屋市内に現在18地域あるサポートタウンの一つとして、最初期からクラブを応援。街路灯へのサポートフラッグの掲出、グランパスが勝った際にサービスを提供する「勝ち店」など、さまざまな形でサポートを行っている。クラブも地域の祭への選手の参加、サッカー教室のイベントなど、地域活性化に協力している。
今池商店街連合会の青山祐司さんは「サポートフラッグの掲出が始まったのは、数年前にクラブ、商店街、サポーターで座談会をやったことがきっかけ。街に入ったらすぐにグランパスを応援していると分かるようにしたいとの声があり、商店街が街路灯使用の環境を整えて、クラブがフラッグを無償提供し、サポーターも参加して取り付けを行った。今ではシーズン開幕前には毎年約200本のフラッグを取り付けている。年1回の団体観戦なども行っていて、その際はクラブの協力でピッチレベルでの見学もさせていただいている」と話す。
「サポートタウンになったから商店街の売り上げが伸びるわけではない」と青山さん。「利益を出したくてやっているのではなく、商店街もクラブも同じ目線で地域貢献のつもりで活動している。グランパスの皆さんから地域に何かをしたいという熱意がひしひしと伝わってくるので、街は応援している。地道な活動ですぐに大きな成果が出るものではない。外から見た視点などで、いろいろなアイデア、要望を出してほしい」と呼び掛けた。
その後、佐藤さんらクラブスタッフと青山さんは、受講生らとテーブルを囲んで中華料理を楽しみながら意見交換。受講生からは名古屋の交通事情やどんな選手が愛されるかなど、さまざまな視点の意見が出され、グランパスの未来像、街にサッカークラブがある幸せについて話し合われた。
なごや朝大学では、今回のイベントの成果をいかして、グランパスと連携した講座、企画などを考えるという。
J1リーグ2016シーズンの名古屋グランパスは、2月27日のジュビロ磐田戦(ヤマハスタジアム)で開幕。ホーム開幕戦は3月6日のサンフレッチェ広島戦(豊田スタジアム)。