栄の「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3)1階で6月15日、丸善ゼミナール「出張!名古屋シネマテーク通信vol.13」が開催され、名古屋グランパスの荻晃太選手がゲスト出演した。
「出張!名古屋シネマテーク通信」は、今池の映画館「名古屋シネマテーク」(千種区今池1)スタッフの永吉直之さんを講師に、同館おすすめラインナップを紹介しながら映画の面白さを伝える月1回のゼミ。昨年6月から丸善ゼミの講座として開講されている。
13回目となる今回は「サッカー映画の話をしよう!~『ナゴヤ・フットボール映画祭2017』開催記念」と題し、17日から始まる同映画祭の見どころを紹介。グランパス随一の映画好きの荻選手をゲストに招き、サッカーと映画の面白さを語り合った。
「ナゴヤ・フットボール映画祭」は、映画を通してサッカーの魅力を伝える「ヨコハマ・フットボール映画祭」のラインナップから厳選した作品を上映する名古屋版。1930年に開催された第1回ワールドカップでのユーゴスラビア代表の奮闘を描く劇映画「モンテビデオの奇跡」や、2011年・12年のベガルタ仙台に密着し、東日本大震災の惨状と人々の勇気を伝えるドキュメンタリー「Football,Take Me Home 勇者たちの戦い」など、1週間で7作品を上映する。
イベントでは永吉さんが今シーズンのグランパスのユニホーム、丸善・坂本恭亮店長がチーム創立25周年記念ユニホームGKモデルをそれぞれ着用して、ジャケット姿の荻選手と共に登壇した。
永吉さんは「サッカーに関する映像作品は世界で年間数百本、作られている。2011年から行われている映画祭で上映された数十本の作品から選ぶのは難しかった。南米、アジア、アフリカ、ヨーロッパなど地域の違いや、国の代表やクラブチーム、学校の部活動などカテゴリーの違い、劇映画からドキュメンタリーまで、サッカーのいろいろな見方ができるような多様性のあるプログラムを選んだ」と話した。
会場のモニターで予告編を上映しながら、永吉さんがラインナップを解説。荻選手は、注目作品の一つにアルゼンチンの名門クラブのドキュメンタリー「ボカ・ジュニアーズ・ザ・ムービー」をあげ、南米留学時代のエピソードを披露。「アルゼンチンでは日本から来た高校生の練習試合にも人が集まり、地元チームを熱く応援する。その辺を歩いている腹の出たおじさんでも、サッカーがうまくて驚かされる。いかにサッカーが文化として根付いているか、映画から感じられるはず」と話した。
高校の弱小サッカー部を舞台にした青春映画「ガンバレとかうるせぇ」には「タイトルがとてもいい。高校時代は頑張るのが、少し気恥ずかしかった」と笑顔。荻選手は岐阜工業高校時代に全国高校選手権で準優勝。「高校生の時はサッカーが全てと思い、仲間が部をやめたことに悩んで、つらかったことも鮮明に覚えている。赤点を取ったら練習に出られなかったので、勉強も頑張った」と振り返る。
来場者からは、初めて見た映画の思い出、大人のサッカーの楽しみ方、ゴールキーパーの面白さなどについて質問が上がり、荻さんは一つ一つに丁寧に答えた。最後に永吉さんは「サッカーはスタジアムに行き、ハーフタイムを含めて約2時間かけて楽しむもの。映画館に行って2時間の映画を鑑賞することに、リズムが似ていると感じる。映画祭開催にこの時期を選んだのは、サッカーファンに来ていただきたいから。欧州リーグが終わり、代表戦もグランパスのホームゲームも無い週を狙った。映画館に足を運び、いろいろなサッカーを楽しんでいただけたら」と呼び掛けた。
「ナゴヤ・フットボール映画祭」は1日1作品上映。開始時間は20時10分から。チケットは当日券のみ。一般=1,500円、大学生=1,400円、中高予=1,200円、シニア=1,100円(一般・学生はユニホーム、サポーターグッズを提示すると、200円割引)。23日まで。17日には「ヨコハマ・フットボール映画祭実行委員長の福島成人さんが来館する。