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栄で「戦争絨毯」企画展 アフガンの戦争モチーフ、戦車・地雷などの図柄も

『画報→戦争絨毯』展 イメージ

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 1990年代のアフガニスタン紛争に巻き込まれた人々が、隣国の難民キャンプで作り始めた戦争をモチーフにしたじゅうたん「戦争絨毯」を展示する展覧会「『画報→戦争絨毯』展」が4月6日から、栄のアートスペース「spazio rita」(名古屋市中区栄5、TEL 052-265-7176)で開催される。

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 同展をオーガナイズする渡辺純さんは、22年前の内乱中のアフガニスタン、パキスタンで外務省職員として勤務。国連関係者と難民キャンプや復興地域を訪問し、調査や情報収集などを約3年行っていた。現在は松本市で世界の手仕事屋「samsara」を経営し、アフガニスタンのじゅうたんをキャラバンスタイルで売り歩くジプシースタイルの商い「展示会」を20年続けているという。

 「戦争絨毯」について渡辺さんは「10年間に及ぶアフガニスタンへのソ連の軍事介入が終わった直後の1990年代のアフガニスタンで、隣国パキスタンとの国境付近に点在するアフガン人のための難民キャンプから生まれたと言われている謎のじゅうたん。現地の人はそれを『画報』と呼び、それを買っていった外国人は『戦争絨毯』と呼んでいた」とし、「日常化してゆく戦争体験と、平和への微(かす)かな希望と祈り。戦争自体を笑い飛ばすかのようなブラックユーモア感。アフガン人が体験し続ける複雑なテーマ『戦争』をアフガニスタンの伝統工芸でもあるじゅうたんの絵柄に込めて、世界に小さく発信した数少ない作品」と紹介する。

 「90年代の作品は、主にアフガン聖戦士ムジャヒディンがソ連軍を撤退させたその戦勝的な意味合いを持ったがものが多い。その中には日常化して身近になっていた武器弾薬、戦闘機、戦車、地雷などの絵が、大胆な構図で構成されたじゅうたん作品として小規模に製作され、街の市場で販売されていた」という。

 「戦争絨毯」の名古屋での展示は今回が初めて。当日は戦争柄のじゅうたんのほかにも、伝統柄のじゅうたん、民族衣装や貴重な民族ジュエリー、現地の写真など、約40点の展示品が並ぶ予定だという。

 「これは、誰かを非難するための反戦イベントではない。なかなかマスコミや教科書などに出てこない、リアルな戦争、物理的に負け組となった人々の封印された歴史、破壊と創造などについて、立体的な視点と宇宙的な愛をもって、参加者の皆さんと対話しながらゆっくり築いていきたい」と、渡辺さんは来場を呼び掛ける。

 開場時間は17時~23時。入場無料。今月12日まで。7日には、オープニングイベントとしてインド古典音楽ライブや渡辺純さんによるアフガン現地での実体験や戦争絨毯について語るトークイベントを開催。翌8日には、オープニングパーティーとして「カレーミーティングクルー」によるカレーの出店と「samsara」によるシーシャスペースの出店のほか、DJ陣が会場を盛り上げるという。

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