金山総合駅前の旧「名古屋ボストン美術館」(名古屋市中区金山町1)で10月28日、「トリックアート展2021 in 金山」が始まった。
トリックアートは、人間の目の錯覚を利用したアート作品。遠近法や陰影法、色、照明などの組み合わせによって、床や壁といった平面に描かれた絵が立体的に飛び出して見えたり、見る角度によって絵の印象が変わったりする。
展示作品は全て東海地区初登場。フロアごとにテーマが異なり、4階のテーマは「世界一周の旅」。自由の女神からバンジージャンプをしているように見える「自由へのバンジージャンプ」や、モスクワの聖ワシリイ大聖堂とマトリョーシカを背景に、中で人が左右に移動すると背の高さが変化するように感じる「エイムズの部屋」など、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア・オセアニア、日本の風景をモチーフにした作品を展示している。
5階はゴッホやモネといった印象派の画家の作品の世界に入り込めるような仕掛けがある「印象派とトリックアート」をはじめ、過去作品群から人気の高い作品が並ぶ。風景画の中に12星座が隠れるだまし絵の「黄道十二宮の神殿」、正面と左右それぞれの角度で檻の中にいる動物が変化する「熊の檻」などでは、作品に近づいたり離れたり、左右に移動したりと体を動かしながら鑑賞する人の姿もあった。
トリックアートを企画・制作する「エス・デー」(栃木県那須町)の齋藤高志さんは「トリックアートは、鑑賞者が作品の中に入ることで完成する。全ての作品で自由に写真やビデオの撮影ができるので、いろいろなポーズを取って楽しんでもらいたい」と話す。会場では常駐スタッフが作品の説明や撮影のアドバイスなどを行う。
営業時間は10時~19時(最終受け付けは18時30分)。入場料は大人=1,200円、高校・大学・専門学校生=1,000円、小・中学生=600円、未就学児は保護者同伴で無料。今月28日まで。