同人作家・さといも屋さんが3月10日、愛知県の高校の女子制服をイラスト付きで解説した書籍「愛知県JK制服目録」(桜山社)を出版した。
さといも屋さんは愛知県在住の同人作家で、主婦業の傍ら制服をテーマにした同人誌を定期的に発行。2019年以降はオンラインを中心に創作を続けている。
同書は、愛知県内の高校の9割に当たる208校の女子制服を描いたイラスト作品集。名古屋のセーラー服の特徴と変遷を解説する漫画や、現在は見られない旧制服、令和時代の最新制服事情についてのコラムなども掲載。制服を服飾文化から研究し、資料価値のある書籍を目指した。
さといも屋さんが制服に興味を持ったのは、中学3年の時に参加した志望校の高校見学会。「各校の生徒のさまざまなデザインの制服を見て、種類の多さとかわいさに驚いた。それからイラストを描き始め、SNSで発表するようになった」と話す。
2019年から5年間で愛知県の高校の約4分の1が制服をモデルチェンジし、新しく採用された女子制服は全てブレザー型。さといも屋さんは「SDGsが掲げる多様性に配慮するため、性差の少ないデザインのブレザーが選ばれるようになった。個々の多様性が尊重され、時代が良い方向に進んでいるのは間違いないが、制服を服飾文化の面からとらえると、一つの文化が消えていくようで、寂しい気持ちになった。そんな折、桜山社から声をかけていただき、これまで描いてきたイラストをまとめて本にすることになった」と出版の経緯を語る。
収録されているイラストの制服は、現在では見ることができなくなったものも多い。さといも屋さんは「最新のものではなく、令和以降のモデルチェンジラッシュが始まる前の2018(平成30)年時点のデザインを主に収録した。制服文化のあり方が変わっていく過渡期に、愛着のある制服を記録として残すことができた」と話す。
「地元の方々の青春の思い出が詰まった制服ばかりなので、本を手に取って楽しんでいただけたら」と呼びかける。
仕様はB5判、120ページ。価格は2,200円。