夜から翌朝にかけて名古屋市鶴舞(つるま)中央図書館(名古屋市昭和区鶴舞1)で過ごす企画「図書館に泊まろう!」の参加者募集が9月1日、オンラインと図書館窓口で始まった。
鶴舞公園内に1923(大正12)年10月1日、市立「名古屋図書館」が開館。1952(昭和27)年に「鶴舞図書館」に、1964(昭和39)年に現在の「鶴舞中央図書館」に改称した。市立図書館は現在21カ所。
同企画は、名古屋市図書館100周年記念事業で行うもの。同事業では「いっしょにページをめくろう!」をキャッチフレーズに掲げ、さまざまな市立図書館やSNS上などで図書館職員が考えた10程度の企画を展開する予定。現在、図書館や本好きの「あるある」をSNS上に投稿する企画や、「ほんとわたしと図書館と」がテーマのフォトコンテストなどを展開している。
「図書館に泊まろう!」について、鶴舞中央図書館庶務係長の山盛平和さんは「普段の利用者はもちろん、あまり利用しない人にも興味を持ってもらいたいと企画した」と話す。開催は10月14日20時~15日8時。
大正時代に発行された本や古い資料、昔の雑誌など約110万冊を有する書庫を職員のガイドで見ることができる「ミッドナイト書庫ツアー」や、同館の開館を報じた古い新聞記事、昔の同館建物で使っていた道具や戦争で焼けた資料などを説明付きで見るプログラムを予定。「関東大震災100年」にもちなみ、段ボールでできた防災ベッドの組み立て体験や、南図書館所蔵の伊勢湾台風の写真閲覧など防災についても学習する予定。
プログラム終了後のフリータイムには、閲覧室にある約30万冊の本や雑誌、漫画などを自由に選んで読むことができる。希望があれば職員を通して書庫の本を読むことも可能。各自、3フロアある館内の指定範囲内に防災ベッドを置き、好きな本棚の前や景色がいい場所など過ごす場所を決める。普段、業務に使っているブックトラックを1人1台貸し出し、「マイ本棚を作って楽しんでもらうことも」と同係の齋藤森都さん。
消灯時間は設けない。齋藤さんは「本を読んでもらうための企画。好きなだけ『本のシャワー』を浴びてほしい。お堅いイメージがある図書館でもこんなことをやるんだ、とイメージが変われば」、山盛さんは「時間はたくさんある。本離れしている人も多いと思う。スマホの中も無限だが図書館も無限」と話す。
対象は18歳以上。定員は10人。応募は申し込みフォームと図書館窓口で受け付ける。応募者多数の場合は、名古屋市図書館共通貸出券を持つ応募者から抽選する。参加無料。応募は今月17日まで。