4年ぶりとなる「古本まつり」が10月6日~8日、「名古屋古書会館」(名古屋市中区千代田5)1・2階で開催される。
10月4日は全国古書籍商組合連合会(全古書連)の制定する「古書の日」で、10月は古書月間となる。「古本まつり」は60年以上の歴史を持つ東京神田をはじめ、全国各所で開催されている。
名古屋の「古本まつり」は始まって今年で約20年がたつ。名古屋開催の統括担当者で古本店店主の池田一紀さん「古本の普及を目的にしたイベント。今回をきっかけに日常に『古本を買いに行こう、見に行こう』というシーンが増えたら」と。
会場の「名古屋古書会館」は、通常は古書組合の関係者のみ入館できるが、月に1回程度開催する古書即売会と「古本まつり」では一般人も入場できる。
2階で東海地区の古書組合加盟の古本店18店が出店する即売会を行う。普段行っている即売会の3~5倍の規模の約2万5000冊が集まる。池田さんは「さまざまなタイプの古本屋が並ぶ。専門書、児童書、雑誌のほか、DVDなどジャンルも幅広い。ネット販売や電子書籍は、希望に合うものを検索して探すが、さまざまな種類が並ぶ古本は、何気なく見ていると発見や出合いがある。通常より安く販売するため掘り出し物も見つかるかも」と話す。
期間中、同館1階では関連イベントを開く。6日は、3店の古本店店主が登壇し、古本屋開業「さわり編」の講座イベントを開く。現在、同組合のSNSで古本店への質問を募集している。池田さんによると、「ブックオフとの違いは?営業中に暇な時には何をしているのか、もうかるのか、などの質問が集まってきている」という。開催時間は15時~16時30分。
7日は、江戸時代半ばの名古屋の文筆家兼画家「猿猴庵(えんこうあん)」について名古屋市博物館が出版した「猿猴庵の本」の最新刊を題材に、同館学芸員が本の内容や博物館の事業について講演を行う。開催時間は13時~13時40分。
8日は、古書好き芸人で知られる居島一平さんが自身のユーチューブ番組の公開録画を行う。即売会に並ぶ古書を題材に、選んだ理由などを話す予定。このほか、歌謡漫談師のウクレレえいじさんのミニライブなどを開く。開催時間は10時30分~11時30分。整理券は先着順で配布する。配布開始は10時の予定(状況により時間変更の場合あり)。
1階の一角では、料理・手芸、植物、映画といったジャンルで分けた古本のコーナーも設置する。
池田さんは「古本は江戸時代から、新刊書店には並ばない3年前まで幅広い。時代を感じる古い雑誌や、同じ内容を解いた専門書でもその時代の珍説的な表現もある。今年はこれから本を買ってほしいと思う若い人に向けた企画を用意した。古本の面白さを見に来てほしい」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~18時(最終日は17時まで)。入場無料。