SRT社会実験で納屋橋に暫定整備されているテラス型バス停「なごまちテラス」(名古屋市中区栄1)を活用するイベントが11月29日、開催された。
「SRT(Smart Roadway Transit)」は、名古屋市が進めている路面公共交通システム。都心の回遊性向上やにぎわい拡大を図る目的でまちづくりと一体になって導入に向け検討を進めている。同企画を担当する名古屋市住宅都市局の加藤尚子さんは「待ち合い空間、運行サービス、走行環境、道路の再生、車両やサインのデザイン、人の活動や街の動きなど。場所や物を作るだけではなく、にぎわい作りなどソフト面も合わせトータル考えるシステム」と説明する。
9月16日、納屋橋バス停2番乗り場と広小路本町バス停7番乗り場(錦3)の2カ所に期間限定で設けた「なごまちテラス」では、広小路通の名駅・栄間を結ぶSRT東西ルートの運行に向け、バスの乗り降りや一般交通への影響、待ち合い空間の社会実験を行う。
2カ所では、歩道に迫り出す形の「ベイ型」の現バス停にテラスを仮設。歩道を広げた「テラス型」に整備した。ベンチやテーブルを置き滞留できるようにしたほか、バス時刻表やルート検索、見どころやイベントを表示するデジタル案内板を設置した。
納屋橋バス停の「なごまちテラス」では29日、バス停前の東宝ビルとリッリモンドホテル納屋橋の建物空地で自家焙煎(ばいせん)コーヒーと菓子を販売した。
加藤さんは「テラスの設置で、おしゃべりを楽しんでいる人や、休憩に使う高齢者の姿、テーブルでパソコン作業をする姿を見て、実際の利用の様子を確認できた。車両がバス停に近づきやすくなり、乗り降りやスロープも設置もしやすくなったというバス運転士の声も聞いている」と話す。
30日には、広小路本町バス停の「なごまちテラス」でもイベントを開催。三菱UFJ銀行とおかげ庵栄広小路店前の建物空地におかげ庵がオープンカフェを開く。オープンカフェでは、同店で使用済みのおしぼりをアップサイクルしたコースターを使う。開催時間は9時~16時。