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風媒社が「ものづくり中部の革新者」出版 産業人・技術者113人の足跡を紹介

「中部産業遺産研究会」の会員で「ものづくり中部の革新者たち」の編集委員長を務めた石田正治さん

「中部産業遺産研究会」の会員で「ものづくり中部の革新者たち」の編集委員長を務めた石田正治さん

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 名古屋を中心とする中部地方の産業の発展に貢献した人物を紹介した書籍「ものづくり中部の革新者」が12月13日、風媒社(名古屋市中区大須1)から発売される。

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 同書は、中部地方に存在する「産業遺産」の調査研究とその保存を目的とする「中部産業遺産研究会」が編著したもの。1993(平成5)年に設立し、前身となる研究会を含めて50年以上の活動歴がある。学校教員や大学教授、企業のOB・OGなどが活動に従事し、研究成果を発表するパネル展などを開催。同会員で同書の編集委員長を務めた石田正治さんは「現在の研究会が設立して今年で30年。これを記念して、2019年から3回にわたって開催したパネル展のテーマ『ものづくりの革新者』を基に書籍化した」と話す。

 「革新実業家」「技術の革新者」「産業基盤の革新者」の3部構成で、写真や当時の新聞記事といった画像資料を用いながら、113人の「ものづくりの革新者」を紹介する。内容をまとめる際、「革新者の功績だけでなく、生きざまや人柄にも深く迫ることを意識した」と石田さん。「単に『功績を遺した人』ということだけでなく、どのような人生を歩んできたかなど、人間味あふれる姿を紹介することで、人物そのものはもちろん関わった産業の魅力も併せて伝えられると考えた」と胸を張る。

 同研究会副会長の浅野伸一さんは「取り上げる人物の多さもさることながら、執筆には35人の会員が携わった。パネル展の企画準備段階から数えれば、約5年の歳月をかけて本が出来上がった。執筆者を取りまとめる石田さんの苦労は計り知れない」と目を細める。

 仕様はA5判、355ページ。価格は3,360円。

 「全3回かけて実施したパネル展を1冊の本にまとめたことは、一つの区切りとなった」と石田さん。2024年1月30日から、名古屋市都市センター(名古屋市中区)11階「まちづくり広場」で第18回パネル展「大正ロマン、昭和レトロのモノがたり-消え去った風景、忘れられた施設-」を開催。現在では目にすることのできなくなった大正・昭和の風景や産業遺産をパネルで紹介する。石田さんは「社会の変化を通して失われてきたさまざまな『もの』のストーリーを通して、現代の在り方を見直すきっかけとなれば」と意気込む。

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