ライブイベント「GADGET STORY(ガジェットストーリー)」が3月27日、栄のクラブクアトロ(名古屋市中区栄3)で開催される。
出演は、Hello Crowd、DOPERS、No.MEN、NESSALIO IDENTITY CRISIES、Lykos、JAILKIDS、ヒステリックパニック、トラケミストほか、主に名古屋を拠点に活動する若手バンド。
主催の萩原凜太郎さんは千種区今池でライブハウス「3STAR」「GROW」を経営し、イベントを企画運営している。「元々は若者がライブハウスに通うきっかけをつくりたくて始めたイベント。高校生のバンドを主体に10回以上行い、昨年夏にはサンシャインサカエで野外フェスとして開催した。今回から学生イベントという形は取り払い、現役の高校生も卒業した子も一緒に出られるライブにした」と話す。出演バンドについては「ジャンルはバラバラだが、共通点は『プロになる』と言っているバンドたち」と自信のラインアップをアピールする。
萩原さんは学生時代にバンド活動をしていたが、一度は就職。葬儀社に勤めていた一昨年に、26歳で喉のがんとなり、長い療養生活の中、再び音楽で生きることを決意。昨年夏に、バンド「パパリ ポポ チュセヨ」を組んだ。今回のライブには、自らもボーカル「りんたろう」として出演する。「音楽で人を笑顔にすることに全力投球するバンド。他が十代のバンドで、僕らだけ年齢層が高いが、負けられない。音楽は生きざまが乗っかるもの。誰かが決めた物差しで測られるな、というメッセージを背中で伝えたい」と意気込む。
森大智さんは、会社員をしながらサポートメンバーとして萩原さんのバンドを支えている。「りんたろうのステージは、本人も輝いているが、なにより観客が笑顔になる。一緒の景色を見たくて、自分から声をかけてサポートメンバーになった。今回のステージはもちろん、今後も近くで関わりたい」と話す。
出演バンドの多くは萩原さんのライブハウスで腕を磨いた若者たち。「音楽という自分の好きなことで残りの人生を過ごしたくて、バンドを組み、ライブハウスを始めた。歌えなくなった時に、音楽に貢献できることは裏方の仕事。この場所を使っているみんなは自分にとって宝で、若いミュージシャンたちが残ることは遺書だと思っている」と話す。
スタッフの前田敏秀さんは、萩原さんと共に音楽に関する多様な仕事を担当し、若いミュージシャンを応援している。「りんたろうは会社員時代の同僚。東京でエンジニアをやっていたが、昨年末に名古屋に引っ越してきた。以前はバンドをやっていて、また名古屋で音楽にどっぷり浸かる日々になった。忙しいが、やりたいことが、どんどん増えている」と話す。
最後に萩原さんは「クアトロは過去に素晴らしいバンドが立ってきた会場。僕らが見合っているとはとても言えないが、歴史あるステージで彼らとイベントを成功させたい。名古屋の今のバンドシーンを示すカタログのようなライブ。たくさんの音楽が見られるので、足を運んで、好きなバンドを見つけてもらえたら」と来場を呼びかける。
15時15分開演。料金は、2,000円(ドリンク代必要)。