
名古屋・金山駅南側の金山南エリアで現在、飲食店店主が主体となって商店街の活性化を目指す取り組みが進められている。
金山南エリアのキャラクター「かなきち」がデザインされた「金山ローカル交流会」カード
飲食店がひしめき合う金山駅北口周辺とはと異なり、南口周辺は個人店が点在し、昔からある病院や住宅なども多い。焼きそば店「KING焼きそば」を20年間営み、金山商店街振興組合理事で地域住民でもある羽鳥浩二さんによると、エリアは広いがつながりが薄く一体感があまりないのが現状という。
「店同士で顔なじみが増えれば街につながりが生まれ、このエリアに滞在する人も増えるのではと考えていた」と羽鳥さん。「コロナ禍で閉店した店もあれば新しい出店もある。街が再生した感じ。地域交流の活動に賛同してくれる同世代の仲間ができ、考えが実現できる雰囲気になってきた」という。
2022年オープンのチキンバーガー店「チャットチキン」の堀太郎さん、昨年オープンした居酒屋「ハコワレ」の店主と共に構想を煮詰め、イベント「金山ローカル交流会」を2月に初開催。焼き芋や輪投げ、ビンゴゲームを用意し、楽しみながら参加者同士が知り合う場所を作った。堀さんによると、店でアルコールドリンクを作る様子を子どもたちが見学する職場体験のような場にもなったという。
プラスチックカードの印刷通販会社「バズ・プランニング」(中区大須4)社長の中嶋健太さんが参画し、「地域応援サポーター」としての会員カードも作った。「会運営のほか、アイデア提供などさまざまな関わり方がある中で、一体感を演出するツールとしてカードがあるといいと思った」と堀さん。羽鳥さんは「防犯や治安の視点でも地域のコミュニティーが必要。カードを手渡すことで帰属意識を持ってもらえる」と話す。
中嶋さんは「コミュニティー形成にカードを取り入れたことでどういうことが起きるのか、実験的要素もある。フィードバックを受けながら運用の仕方を更新していければ」と話す。
今後、飲食店以外の店舗や企業、駅前で路上ライブをしている人など、多様な立場の人の関わりも想定。「中長期的に続けられるペースのコミュニティーづくりがこの街には似合っている」(堀さん)とも。
5月には2回目の交流会を開催予定。