
メニコンシアターAoi(名古屋市中区葵3)で6月14日・15日、山口茜芸術監督の脚本・演出による舞台「悪童日記」が上演される。
原作は、ハンガリー出身の小説家アゴタ・クリストフの同名小説。戦禍から逃れて祖母の元へ疎開した双子の兄弟が、自分たちに起きた事実を日記形式で記録し、戦争のもたらす狂気を描写する。
同作は山口さんが率いる劇団「サファリ・P」で2017(平成29)年に初演。2019年には「瀬戸内国際芸術祭」に招聘(しょうへい)され、コソボ共和国での海外公演も行われた。名古屋では初の上演。
今回の再演は、新たなキャストと演出で制作。5人の俳優・ダンサーが5つの台を使用して作品を表現する。出演は芦谷康介さん、佐々木ヤス子さん、達矢さん、辻本佳さん、森裕子さん。
山口さんは「『悪童日記』は双子の『僕たち』が、ただ事実だけを書き記した日記という体裁を取っている小説。今回、再演するに当たり、私自身も小説に文字で書かれていないことを勝手に想像で補うのではなく、徹底的に日記に書かれているものと向き合うことを大切にして演出した。『事実に向き合う』その姿勢こそが、戦争や虐殺が止まらない現在の世界に必要なのではないか。作品を見た後には、ぜひ戦争や命について考えたり、語り合ったりしてもらいたい」と話す。
関連企画として、各上演の終了後に、学生年代限定で、ステージ上で出演者との交流会を行う。観劇の感想や質問などに出演者や演出家が答え、舞台の裏側も見ることができる。
両日とも13時開演。料金は、一般=4,000円、25歳以下=1,000円。14日は15時から、読書会コミュニティー「猫町倶楽部(クラブ)」による「悪童日記」読書会を愛知芸術文化センター9階で開催。山口さんがゲスト出演する。