普段は一部または全て一般公開していない建築物を公開するイベント「なごや建築まつり2025」が11月13日から、名古屋城エリア、丸の内・栄エリア(以上、名古屋市中区)、本山エリア(千種区)で初開催される。
主催は椙山女学園大学、名古屋工業大学、愛知工業大学など11校の大学教員で構成する実行委員会。建築系学部・学科の研究室が参画し、研究室の学生による資料展示、建築の楽しみ方を伝えるガイドツアー、設計者が直接設計意図や見どころを説明するイベントなどを行い、来場者の建築への理解をより深める。
同委員会メンバーが多くを占める「日本建築学会東海支部 設計計画委員会」が2015(平成27)年から展開する「東海の建築アーカイブ」事業として、学生参加のデザインワークショップを経て半田市で行った「はんだ建築まつり2024」の経験を生かして企画。委員長で椙山女学園大学教授の村上心さんによると、今回は名古屋市が推進する「ウオーカブルなまちづくり」をつなげる取り組みとして、市中心部を中心とした建築公開イベントとしたという。
公開対象は、市役所本庁舎、名古屋能楽堂「けい古室」、ノリタケの森、名古屋市美術館など30施設。「ウオーカブル」をキーワードに、名古屋城・丸の内地区を中心に歩いて回ることができる範囲の建築物からセレクトした。「歴史的に価値のある建築物から現代の物までさまざま。著名な建築家が手がけた物、デザイン賞などを受賞した物などもあり、建築が好きな方はもちろん、建築初心者の方にも楽しめる企画」と村上さん。
料金は、一般=1,000円、大学生=500円、高校生以下無料。無料見学できるところや、事前予約、別料金が必要な建築もある。建築物により公開日は異なる。
13日には名古屋能楽堂(中区)でシンポジウム「まち歩きと建築 そして名古屋の景観を考える」、15日には「浅沼組名古屋支店」(中村区)で講演会「まちをつくるしくみとデザイン」を開く。
村上さんは「建築を通して名古屋のまちの新たな魅力や楽しみ方を体験してもらいたい。名古屋のまちをもっと好きになるきっかけになればうれしい」と話す。
今月16日まで。