フジタクシーグループ(名古屋市西区上名古屋3)は5月24日、同社創業50周年を記念して金色のタクシー「金のフジタクシー」の運行を開始し、同日、成田山萬福院(名古屋市中区栄5)で同車両のデビューセレモニーを開催した。
現在、名古屋市内では8,355台のタクシーが稼働しており、今年7月31日で50周年を迎える同社は約500台を超えるタクシーを所有する。
「金のフジタクシー」は1台のみ用意され、5月24日から1年間限定で名古屋都心部を中心に営業を行い、乗車料金は通常と同じ。スペックは同社の通常車両(CROWN SUPER DELUXE)。20種類以上を検討したというオリジナルの金色の中から、ボディーには重厚感のあるマットゴールドを、サイドミラー、車内外のドアノブ、シートベルトの金具部分などにはアクセントとして輝きのあるゴールドを使用し、50周年にちなんでナンバーも「50」にした。「金のフジタクシー」のハンドルを握れるのは、優良ドライバーの2人。同車両の予約は基本的に受け付けないが、慶事、婚礼などの行事に対しては予約を受け付ける。
セレモニーでは、成田山萬福院で護摩機焚き祈祷が行われた後、同社大原一夫社長や、来賓の薬師寺保栄さん、「金のフジタクシー」の制作に携わったフジテックの青井一仁執行役員部長などのスピーチや除幕式が行われた。
大原社長は「おもてなしの心と感謝の気持ち、ちょっとした遊び心も含め『金のフジタクシー』で表現した。乗車した時にお客様がどんな夢を持っていただけるか楽しみ」と話している。導入については、「贅沢感ではなく、『最上級のおもてなし』を考えた結果、金に決めた。金色は最初、自動車メーカーなどの世の中にある金色を探したが、イメージに合うものがなかった。CGで色を調合した『手作り』の色となっている。また、スチールモデルを10台ほど作るなど試行錯誤を繰り返した。わくわくした気持ちでお客様と接することができればうれしい」(青井執行役員部長)という。
乗車第1号として、4月3日に名古屋市中区にボクシングジム&フィットネス施設をオープンした薬師寺保栄さんが夫妻で同施設まで「金のフジタクシー」に乗車した。運転を担当する唐沢さんは、自身で用意したという金のボールペンを胸ポケットに、気持ちが高ぶる様子で、「光栄ですが、緊張が先にきている。まずは安全運転で」と話した。
同車に乗車すると、成田山萬福院で交通安全と良縁成就の祈祷を受けた「乗車証明書」を乗務員から受け取ることができる。「乗車証明書」には通し番号が刻印されており、50周年にちなんで、50番、500番、5,000番の「乗車証明書」を受け取った利用客には記念品を贈るサービスも用意されている。