デンソー(愛知県刈谷市)は1月9日、同社が新たに取り組む青少年育成グローバルプログラム「DENSO YOUTH for EARTH Action ~新・地球人プロジェクト~」実施に向けた会見を、ナディアパーク(名古屋市中区栄3)で開催した。
同プログラムは、「持続可能な社会の形成」のために地球環境を多面的に捉えることができる人材を育成することを目的として行われる。世界30か国以上で事業を展開する同社は、これまでさまざまな社会貢献活動を行ってきたが、「これまでグローバルに貢献できるプログラムが今までなかった」ことから実施を決めたという。
初年度となる今年は、パイロットプログラムとして日本とタイの大学生・大学院生各10人程度が共同で「環境共生」を学び、自身の体験を通して、多様な価値観と広い視野を身につけることを目的とする。
学生らが体験するプログラムは7月29日~8月10日の12日間、釧路川をカヌーで下り釧路湿原の多様な生態系を学んだり、釧路湿原自然再生プログラムを学ぶ。また、同社を通じて企業の環境技術を学んだり、名古屋のゴミ対策運動、流通業における環境活動を学ぶほか、日本人とタイ人の学生がペアになり日本人の家庭にホームステイして、生活に根付いた世界共通の環境問題を学ぶ。参加費は無料。
同社では1月15日~2月22日、参加者の募集を行う。応募資格はTOEIC600点以上または英検2級以上の日本に在籍する大学生・大学院生。希望者は小論文の提出、面接などを受け4月初旬にメンバーが決まる。
プログラム参加者は10月に、プログラムの活動成果の報告と、ネットワーク作りを目的としたフォーラムを開催。「一般の人々にも気軽に参加してもらえるスタイル」をとり、両国の学生らが学んだ事を改めて社会に情報発信する。また、「今回の反省を踏まえ、次回に生かしていき、最終的には多国籍の学生を対象にしていきたい」(同社)とも。
「同プログラムが動き出すまでには、練りに練って2年の歳月をかけた」と同社担当者は話す。「それほど、社内の同プログラムに対する思い入れが強いということ。私どもの一石が社会で大きなうねりとなってほしい」と、プログラムの成果に期待を込める。