名古屋・東京のテレビ局で番組制作を行うメディアジャパン(名古屋市中区栄5)は、自社制作DVDの販売を開始した。
同社の宮崎社長は、地上波デジタル放送に向け、各局が制作費の圧縮を図るなど「テレビの黄金期」と呼ばれた80年代と比べて制作コストの捻出が厳しい状況にあると感じ、テレビ局だけに依存する経営形態からの脱却をはかり「下請けからメーカーに」をコンセプトに自社制作のDVD販売に踏み切った。
昨年10月、テレビ番組の取材を通し知り合った各業界の「プロ」のノウハウを映像で届けるDVDのシリーズ版「THEゲンバシリーズ」を販売し、現在は「実践!長野雅弘の学校改革」1、2巻(各55,000円セット100,000円)、「鳥谷朝代のあがり症克服講座」1、2巻(各12,800円セット19,800円)の2タイトルを扱う。
ほかに「デザイン道虎の巻」(9,800円)、「ワンちゃんの手作りごはんの作り方」(1,500円)、「ウエディングプランナーになるには」(1,980円)など多業種のノウハウDVD、日本のマナーや文化を盛り込んだ海外向けDVD「MAKE JAPAN SERIES」(1,500円)も制作している。
宮崎社長がノウハウDVDの制作・販売に着手したのは、大手セレクトショップが浴衣の販売を開始した時に同店の店員が浴衣の着付けを知らず、同社に「浴衣の着付け映像を作ってほしい」と依頼があったことがきっかけだという。
宮崎社長は「団塊ジュニアを中心に核家族化が進み、知識の断絶が起こっている。切れてしまった知識を本よりも分かりやすい映像で届けたら市場は確実にあると判断した」と話す。また「これまでは番組を制作しても著作はテレビ局が保有し、制作会社の立場は苦しいものだった。自社で制作と販売を請け負うことにより『著作』という自社製品を持てることに繋がるのも魅力」(同)とも。
販売場所は同社ホームページやオンライン通販「アマゾン」など。今後はアメリカで新シリーズを販売するほか、代理店も募集し販路を拡大していく予定。