イギリスの高級車・スポーツカーメーカー、ベントレーの車を専門にチューニングを行なう「ASI(エーエスアイ)」(名古屋市中区千代田3、TEL 052-339-2777)は6月28日、日本画家・中村哲叡(なかむらてつえい)さんとコラボレートしたコンプリートカー「ASI TETSU GTR(エーエスアイ テツ ジーティーアール)」(6,500万~)の先行予約販売を開始する。
パーツから製造まですべて日本のものにこだわって作られた同車は世界に向けて限定29台で発売。中東、中国、アメリカ、ロシアなど世界の富裕層をターゲットに据えている。
これまですべてのパーツが日本製の車は、原価のリスクから見ても実現的なものではなかったが、「日本の文化は世界的にも注目されているし、技術的に見ても群を抜いている」と同社・近藤社長。29台すべてのボンネットに中村哲叡さんが直に絵を描く。「オーナーの好みに合わせるため、絵の内容は決まっていない」(近藤さん)という。
6,500万円以上という高額車の販売について、近藤さんは「日本の伝統文化を世界に伝えることができるものであれば、それは、いすでもテーブルでも何でも良かった。たまたま自分が着目したものが『車の形をしていた』だけのこと」と笑顔を見せる。
「中村哲叡先生の絵以外にも、伝統文化をもっと取り入れたい」(近藤さん)と、エンブレムを七宝にしたほか、内装には漆、金箔、西陣織、日本独特の木目の技術などを採用した。今後は「日本発の世界に通用するチューニングメーカーとしてますます飛躍していきたい」と意欲をみせる。