
株式会社モノクラシック(本社:愛知県豊橋市、代表取締役:杉浦公治、以下「弊社」)は、2025年8月20日(水)より徳島県にある木製椅子メーカー「宮崎椅子製作所」に別注したデンマーク家具デザイナーのカイ・クリスチャンセンがデザインした椅子「No.42」の別注モデルを発売する運びとなりました。
この別注モデルは弊社が運営するインテリアショップ「SEVEN STYLE」の開店15周年を記念した特別仕様として宮崎椅子製作所へ依頼したことで実現しました。別注モデルは、宮崎椅子製作所の通常ラインナップには無い樹種である「ローズウッド材」「チーク材」「ウェンジ材」を採用し、張地は宮崎椅子製作所の数ある中からSEVEN STYLEが厳選した張地を2種類のみご用意しています。
また、No.42以外にも同じくカイ・クリスチャンセンがデザインした「ペーパーナイフソファ(1人掛け)」「ペーパーナイフ オットマン」も2025年9月以降に発売予定です。
いずれのモデルも販売期間は2026年3月31日までとなりますが、宮崎椅子製作所に保管してある木材が無くなり次第販売終了となります。
販売期間内にはSEVEN STYLE 開店15周年と別注モデルの販売を記念して、SNSプレゼントキャンペーンや宮崎椅子製作所の代表である宮崎勝弘氏をSEVEN STYLE(愛知県豊橋市)に招待してトークイベントも開催予定です。

No.42|製作風景
弊社が運営するSEVEN STYLEでは、2010年のオープン当初から北欧ヴィンテージ家具の取扱いがあります。弊社がカイ・クリスチャンセン デザインのNo.42やModel 31等の存在を知ったのは宮崎椅子製作所が復刻生産する現行品よりもヴィンテージが先でした。
その後、数年の時を経て日本の家具メーカーが、カイ・クリスチャンセンの家具を復刻生産していることを知りました。そのメーカーが徳島県にある宮崎椅子製作所でした。
取扱いがスタートしてから、宮崎椅子製作所の工場見学や宮崎代表とお話しする機会を得る中で、家具製作におけるきめ細やかで繊細なモノづくりに取り組む姿を目の当たりにして、その熱い想いや高品質な家具を1人でも多くの方に知っていただきたいと思い現在もお取引きが続いています。
そして、今年15周年を迎えるSEVEN STYLEの節目に宮崎椅子製作所と弊社を結ぶ "きっかけ" になった「北欧ヴィンテージ家具」から着想を得て、別注モデルの企画を導き出し実現することが出来ました。
宮崎椅子製作所に大切に保管されている高級銘木である「ローズウッド材」「チーク材」を使った別注モデルは、いずれもヴィンテージ家具で使用されていた木材です。実際、弊社で仕入れたことのあるNo.42もローズウッド材やチーク材が使用されていました。また、北欧ヴィンテージ家具で使用されていることは少ないですが「ウェンジ材」も経年変化を楽しめる優良材であることから、別注モデルのラインナップに加え発売するに至りました。

カイ・クリスチャンセン|宮崎椅子製作所の工場にて
宮崎椅子製作所が生産するNo.42とヴィンテージのNo.42、樹種が同じであれば何が違うかと疑問に思う方もいらっしゃると思います。
まず1つに、宮崎椅子製作所のNo.42はヴィンテージ品に比べ、構造上のウィークポイントを改善するなど目に見えない部分にも手間を惜しまず生産されていることです。例えば、背もたれのリクライニング機能はヴィンテージでは破損していることが多く、正に "弁慶の泣き所" といった箇所ですが宮崎椅子製作所のNo.42は改良を施し耐久性を向上させています。
次に、生産している人の顔や生産現場の空気感が目に浮かぶことです。ヴィンテージ家具が生産されていた時代に想いを馳せることも心躍りますが、どのような人達が生産に携わっているかとイメージできることは、お客様へご提案する側にとって大切な要素であると考えています。弊社が考える宮崎椅子製作所のモノづくり要素の一例として、相手を敬い、思いやりを持って家具づくりに取り組んでいると感じさせてくれるところです。その想いがあるからこそ、今まで出来なかったことにも挑戦し、高品質な家具を作り続けることが可能であると信じています。

No.42|職人とのワークショップ

No.42|デザイン会議

No.42|アームパーツ

No.42|木部組み上げ後
宮崎椅子製作所の家具は全て受注生産のため、例えばNo.42であれば、納期は「2ヶ月から3ヶ月」お時間を頂戴します。
宮崎椅子製作所は急速な規模拡大をせず、全従業員の顔が見える環境のまま生産を続けていくことを大切にしています。宮崎代表の目が届く範囲でモノづくりをおこなうことにより、高品質な椅子が生み出されていきます。

No.42|SEVEN STYLE 15周年記念別注モデル

ローズウッド材

チーク材

ウェンジ材
宮崎椅子製作所とSEVEN STYLEのコラボレーションにより発売される別注モデルは、宮崎椅子製作所の通常ラインナップには無い樹種である「ローズウッド材」「チーク材」「ウェンジ材」を採用しています。これらの樹種は宮崎椅子製作所の倉庫に大切に保管されている木材を今回特別に使わせてもらうことで実現しました。いずれの樹種も高級な銘木であり、貴重な木材として北欧では古くから家具に使用されています。
張地は宮崎椅子製作所の数ある中からSEVEN STYLEが厳選した張地を2種類のみご用意しています。
布張地は、Eランクの「LAESO(ラス)」を採用しました。カラーは宮崎椅子製作所で展開する4色に加え、SEVEN STYLEのセレクトした2色を追加した全6色からお選びいただけます。
LAESOはデンマークに唯一残る椅子生地メーカー「Kjellerup Vaeveri(ケアロップ ヴァヴェリ)」が生産する天然繊維の生地(ウール80%・コットン20%)です。ウール主組成の生地は、耐久性に優れ、汚れに強く、使い込むほど毛足が寝てくることにより気持ちの良い肌触りに変化することが特徴です。また、ウールは天然のエアコンと呼ばれるように保湿と吸水効果がある天然繊維となるためオールシーズン快適にご使用いただけます。
革張地は、L5ランクの「DUNES(デューン)/ SHADE(シェード)」を採用しました。DUNESは7色、SHADEは1色のカラー展開となり全8色からお選びいただけます。
DUNESとSHADEは、デンマークの高級皮革メーカー「Sorensen Leather(ソーレンセンレザー)」が生産する天然皮革の生地です。
DUNESは、バターのように滑らかで柔らかな本革の良さを活かしたアニリンレザーです。また、SHADEは視覚的にはほとんど分からないほど薄い層で保護されたプロテクトアニリンレザーです。
共に個体差のあるナチュラルマークがあり、色合いも革1枚1枚微妙に異なります。時間の経過と共に、美しい経年変化が現れて、より一層優美な色合いとなることをお楽しみいただけます。
ソーレンセンレザーは、デンマークで最も知られた皮革メーカーであるだけでなく、ヨーロッパを中心にアメリカ、アジアなどの多くの国々で高品質なレザーとして高く評価され、世界中の建築家やデザイナーとのコラボレーションも多様におこなっています。
また、No.42の座面高(SH)は標準仕様が北欧オリジナルサイズ「SH:460mm」と高いため、オプション(有料)で脚カットが可能です。単純カットは1脚あたり「3,300円(税込)」、脚先の形状を既成仕上げと同等にした場合は1脚あたり「6,600円(税込)」で承っています。サイズは北欧オリジナルデザインを守っていますが、室内で靴を履かない日本の住宅では座面が高すぎるかもしれません。例えば、前脚を20 - 30ミリ、後脚を0 - 10ミリ程度カットすることで快適な座り心地を得ることが出来ます。

No.42|ローズウッド材宮崎椅子製作所が保有するローズウッド材は、十年程前に徳島の木材業者が銘木製品(座卓・衝立・仏壇など)を作るためにインドから輸入した後、需要の減少から倉庫で保管していたローズウッド材です(ワシントン条約によって規制される前に正規ルートにて輸入されたローズウッド)。
ローズウッド材は硬質で耐久性・安定性に優れており、ヴィンテージ家具に見られるように古くから高級家具に使われる木材として知られ、世界的な高級材であるチーク材よりも高級材として取引されています。
美しい光沢のある赤褐色の木肌は、経年によって更に深みを増し、濃色の縞模様と相まって独特の風格ある色合いへと変化していくことを楽しめます。
価格(布):243,980円(税込)
価格(革):255,200円(税込)
サイズ:W535 D545 H750 SH460 mm
仕上げ:蜜蝋ワックス



No.42|チーク材宮崎椅子製作所が保有するチーク材は、かつて(2000年から2013年まで)宮崎椅子製作所でチーク材の椅子を生産していたことから、それら製品のメンテナンス用に備え、備蓄してきたミャンマー産チーク材です。
チーク材は天然のオイル成分を豊富に含むため耐水性が高く、時間をかけて十分に乾燥させることで耐久性・安定性が高くなります。また、豊富に含まれるオイル成分によって、手に吸い付くようなしっとりとした肌触りも特徴です。
褐色の色合いは経年によってヴィンテージ家具のように深みのある美しさへと変化し、木目に現れる濃色の縞模様が経年によって薄く落ち着いた木目になっていく様は、今回の3樹種の中で最も経年変化を楽しめる木材といえます。
価格(布):182,380円(税込)
価格(革):193,600円(税込)
サイズ:W535 D545 H750 SH460 mm
仕上げ:蜜蝋ワックス



No.42|ウェンジ材宮崎椅子製作所が保有するウェンジ材は、十数年前に輸入された後、徳島の土場に眠っていたザイール産ウェンジ材の丸太を製材した木材です。
黒褐色の独特な表情を持つウェンジ材は、古くから貴重な木材として家具に使われてきました。乾燥がとても遅いため、時間をかけて十分に乾燥させたものでないと良材にはなりません。
家具として完成すれば木材収縮が少なく、安定性・耐久性・強度に優れています。黒褐色の重厚な素材感は、クラシカルな家具にもモダンデザインな家具にも相性が良く、天然のオイル成分が多いため使う人の手に触れて磨かれることにより、更に美しい艶が増す経年変化を楽しめる木材です。
価格(布):158,180円(税込)
価格(革):169,400円(税込)
サイズ:W535 D545 H750 SH460 mm
仕上げ:オスモオイル(2回塗り)


No.42|SEVEN STYLE 15周年記念別注モデル
樹種|ローズウッド材 / チーク材 / ウェンジ材
張地(布)|Eランク|LAESO(4色 + 2色[SEVEN STYLEセレクト])
張地(革)|L5ランク|DUNES(7色)/ SHADE(1色)
販売期間|2025年8月20日(水)→ 2026年3月31日(火)[木材が無くなり次第販売終了]
販売店|SEVEN STYLE
実店舗|〒440-0081 愛知県豊橋市広小路3-28
EC|
https://sevenstyle.jp/?mode=cate&cbid=2748645&csid=22

No.42|チーク材
2004年に日本のインテリアショップからNo.42の復刻生産を打診されたことが、宮崎椅子製作所とカイ・クリスチャンセンの接点の始まりでした。委託先のインテリアショップが2008年にお店を閉めることになり、2008年からはカイ・クリスチャンセンと宮崎椅子製作所が直接デザイン契約を結び今日に至っています。
No.42は宮崎椅子製作所によって復刻生産されるまで、1957年の発売以来、1980年代までデンマークのSchou Andersenで生産されていました。デンマークで生産されていた時代は、デンマークとアメリカで人気製品であり続けたモデルでした。
カイ・クリスチャンセンの書籍「KAI KRISTIANSEN AN INDUSTRIOUS DESIGNER」の中でカイ・クリスチャンセンへのインタビューをもとにNo.42については次のように紹介されています。
「デンマークのSchou Andersenで生産されたチェアの中で、Model 31とNo.42の2モデルは私がとても気に入っているモデルです。
それぞれ異なる目的のためにデザインされており、Model 31は大量生産向けにエレガントでありながら頑丈なチェアであるという好例であります。
それに対し、No.42は細部まで丁寧な加工を要するデザインのため、Model 31と比べ、手作業が多くコストがかかる製品でした。」
当時、No.42はSchou Andersenで最も有名な製品となりました。快適な座り心地と機能性のために作られた細部のデザインの美しさから、その名声の理由は誰もが頷けるものでありました。
アームレストは視覚的にも魅力的であり、No.42の大きな特徴となっています。加えて、背もたれのリクライニング機能は食事やデスクワーク、くつろぐ際に一層快適さを向上させます。
そして、後脚は場所を取らないよう、内側に向けて傾斜しています。これにより、No.42の周囲を歩いてもチェアの脚に引っ掛けて転ばないよう設計されています。
[ 出典|Sisse Bro. KAI KRISTIANSEN AN INDUSTRIOUS DESIGNER. arnoldsche, 2022年6月, 172p. ]

Kai kristiansen(カイ・クリスチャンセン)
デンマークの家具デザイナーであるカイ・クリスチャンセン(1929 - )は、1955年にデンマーク王立芸術アカデミー卒業後、コーア・クリントに師事し、木工や家具デザインを学ぶ。
1955年に自身の設計事務所を設立。1956 - 65年に「Danish Furniture Industries(デンマーク家具工業展示会)」に出品、「Association of Danish Furniture Industries(デンマーク家具工業組合展示会)」に家具を提供。1966 - 70年「Scandinavian Furniture Fair」の立ち上げに参加。 1965 - 75年「International Furniture Fair出展(ドイツ・ケルン)」。オーストリア、パリ、ロンドンほか、数多くの都市にて個展を開催。
2008年からカイ・クリスチャンセンと宮崎椅子製作所が直接デザイン契約を結び、「No.42」「Paper Knifeシリーズ」の復刻生産を開始。2010年の初来社以来、何度も宮崎椅子製作所の工場まで足を運び、現在も引き続き新作開発に取り組んでいます。

宮崎椅子製作所|正門
宮崎椅子製作所は、1969年に四国の徳島で創業。地場産品である阿波鏡台で技術を培い、2000年から自社ブランドの椅子づくりを開始しました。
宮崎椅子製作所のモノづくりの根幹は、「技術」と「デザイン」を一体にすること。
国内・海外の有力デザイナーと宮崎椅子製作所の職人が現場で手を動かし、一緒に考えるワークショップ方式でデザイン開発に取り組んでいます。
良質の材料、優れた技術、心を込めた丁寧な仕事を信条として、ユーザーとつくり手の喜びが通い合うモノづくりを目指しています。
【 会社概要 】
社名|株式会社 宮崎椅子製作所
所在地|〒779-0223 徳島県鳴門市大麻町川崎710番地
設立|1969年
代表取締役社長|宮崎 勝弘
事業内容|木製椅子・ソファの製造
URL|
https://www.miyazakiisu.co.jp/

SEVEN STYLE|店舗外観
SEVEN STYLEは、2010年に愛知県の東(三河エリア)に位置する豊橋市にてオープンしました。
オープン当初から北欧ヴィンテージ家具と共にヴィンテージのように時を超えて引き継がれる、北欧を中心とする現行品(メーカー新品)のご提案も併せておこなっています。
現行品は流行を追い求め、最新の商品を店頭やオンラインストアでご紹介するようなことはせず、現在取り扱っている商品と有機的な繋がりがあり、本当に良いと思える物のみ厳選しています。
では、本当に良いと思える物の基準となるものは何か?
それは、「時代を超え、国を越え、引き継がれる本物」であることです。
SEVEN STYLEでは、時代を感じさせない普遍的なデザインや作り手の想いやこだわりが脈々と息づいている本物だけをご提案したいと考えています。
このコンセプトが宿る物であれば、新旧問わず、国も問わず、自分たちが良いと思う物を厳選しています。
【 店舗概要 】
店名|SEVEN STYLE(セブンスタイル)
所在地|〒440-0881 愛知県豊橋市広小路3-28
電話番号|0532-54-1155
営業時間|11:00 - 17:00
営業日|土曜日・日曜日・月曜日
予約日|木曜日・金曜日[ 前日(営業日)までの事前予約制 ]
定休日|火曜日・水曜日
オンライン|
https://sevenstyle.jp/
■ 会社概要
社名|株式会社モノクラシック(英語表記:MONO CLASSIC, LTD.)
所在地|〒440-0881 愛知県豊橋市広小路3-28
設立|2021年8月
資本金|1,000万円
代表取締役|杉浦 公治
事業内容|家具・照明・インテリアの販売(実店舗・ECサイト「SEVEN STYLE」の運営)、家具・インテリアの輸入販売(Snedkergaarden 日本総輸入販売元)