左から「赤美味」生産者竹内さん、天野さん、学生 高橋さん、西野さん、校長、市長

愛知県西尾市と広告デザイン専門学校（名古屋市中区、校長：安藤誠一郎氏）が連携し、地域の情報発信力向上を目指す「デザイン共創プロジェクト」において、学生たちが手掛けた完熟房取りミニトマト「赤美味（あかうま）」の新しいロゴマークが完成。2025年12月23日に西尾市役所で行われた成果報告会で披露されました。

協定締結から始まった「デザイン共創プロジェクト」
西尾市と広告デザイン専門学校は、変化する情報発信のニーズに対応するため、昨年12月18日に事業連携協定「デザイン共創プロジェクト」を締結しました。この協定は、情報過多の現代において、その他大勢に埋もれてしまわない「強い発信力」を追求することを目的としています。紙媒体から電子媒体への情報発信のシフトが進む中、デザインの重要性は増すばかり。そこで、デザインを専門的に学ぶ学生の若い感性と知識を地域活性化に活かすべく、本プロジェクトが立ち上がりました。
今年度は、このプロジェクトのもと、全部で5つのテーマが進行しており、今回発表される「赤美味」の新ロゴは、その記念すべき第一号の成果です。西尾市とJA西三河が締結する地域農業振興の連携を背景に、ミニトマト生産者など地域の関係者も参画した、産官学連携の取組となりました。

学生の感性が光る、「赤美味」新ロゴと新ポスター

採用されたデザイン

学生たちは、最初の授業で「赤美味」を実際に手にとって味わい、五感でその特徴を体感しました。また、西尾市吉良町の農園を見学し、作品へのイメージを深めました。今回採用されたロゴは、「赤美味」の房でつながっているという特徴から「つながり」をテーマに、現行のロゴの印象を継承しつつスタイリッシュさを加えたものに仕上がりました。モノクロ印刷でも見やすいように色の明るさを調整し、柔らかい印象を持たせるために、文字の角に丸みをもたせるなど、デザインに工夫を凝らしています。
この新ロゴは今後、「赤美味」のパッケージや販促物、イベントなどで活用されます。ブランドイメージの向上と販路拡大に貢献することが期待されます。

今年度の取組について
今年度の「デザイン共創プロジェクト」では、ミニトマト「赤美味」の新ロゴ制作の他にも、「『ほんものづくり隊in西尾』冊子の表紙」、「窓口時間変更ポスター」、「採用ブース」、「がん検診用封筒」といったテーマで、単なるデザインではなく課題の解決という観点で取り組んでいます。地域の情報発信力向上と、学生の学びを両立させる本プロジェクトは、今後も様々なテーマに取り組んでいきます。



その他の共創プロジェクトによる制作物


関係者コメント
■広告デザイン専門学校／安藤校長
このような企画は学校の授業課題では得られない経験でき、大変ありがたく思います。「向こう側に人がいる」という実感があることが、授業で与えられた課題と実地体験の大きな違いです。デザインは、クライアントとユーザの橋渡しであり、今回で言えば、「赤美味」の生産者（クライアント）だけでなく、消費者を見ていないと届きません。そういったことを学ぶ良い機会となりました。
■広告デザイン専門学校／２年　西野さん
今回ロゴとポスターを選んでいただいて非常に光栄です。学校内では自分の実力がわからないが外部の方に評価いただき自信がもてました。学生のうちに貴重な体験ができました。
■広告デザイン専門学校／２年　高橋さん
実際にどんなものを求められているのか、フライヤーを使ってどのようなイメージを与えられるかを考える時間がすごく楽しかったです。

西野さんと高橋さん

■ＪＡ西三河ミニトマト共選組合／天野代表
赤美味を作って 30 年近くになりますが、ロゴにマンネリを感じている中でお話しをいただきました。若い子たちの感性で立派なもの作っていただきました。選ばれた３点だけではなく全部採用したいと思えるほどでした。プロとしてこだわりをもって生産しているところを見てもらえたのも良かったです。
■ＪＡ西三河ミニトマト共選組合／竹内さん
最初の授業にも参加させてもらい、正直どういうものが出てくるのかと思っていましたが、実際に作品ができて、プロ顔負けでしたので本当に凄いと思いました。
■西尾市／中村市長
ある程度技術とかテクニックが出てくると、断片的な情報でそれなりのレベルのものを作るのは多分そんな難しくないと思います。しかし、人の心を打つようなチラシを作ろうと思ったときは、そこの情報の背景となる人間の思いだとか、いろんな情報を汲み取って、それを生かしていくことが必要だと思います。今回それができた上での作品だと思います。市にとっても、生産者の皆さんにとっても意味がある事業になったと思います。

新ロゴのついたパッケージとツヤツヤの完熟房取りミニトマト「赤美味（あかうま）」

「赤美味」はこの時期から春にかけて生産量を伸ばし、４月下旬から５月に最盛期を迎えます。店頭に並ぶ商品だけでなくロゴやポスターなどにもご注目ください。