アートの展示販売と飲食の提供を目的としたギャラリーカフェ「AG cafe(エージーカフェ)」(名古屋市中区大須3、TEL 052-263-3348)が2月26日、大須商店街仁王門通沿いにオープンした。
「気軽にアートと出会うことができる場」を目的とした同店の店内は、「アーティストがここでアートを育み、羽ばたいてもらいたい」という思いを込め「鳥の巣」をイメージしたパターンが、パーテーションなどに施されている。店舗面積は約35平方メートル、席数は約24席。壁面にはさまざまな作品をセンス良く展示する。
単なるギャラリーとして展開するのではなく、「多くのお客さまにアートを身近に感じていただき、気軽に親しんでもらえるのでは」とカフェも併設。プレートやドリンク類のデコレーションなどにも「アート性を感じてもらえるように」と工夫を施す。
同店のキュレーターを務めるチェ・ユンジョンさんは「作品にリアルに値段を付けて公表することで、『アートを購入する』という意識をより身近に持ってもらいたい」と、店内に展示されている作品タイトルの表示プレートには価格も表記する。
展示作品については、「ジャンルは関係なく、情熱や元気さが感じられるもの、作品から受ける印象」をもとにチェさんがセレクト。「若手を中心に国内外を問わず、面白いと思う作品をどんどん紹介していきたい。『あの店に行くと楽しい作品がたくさんあるね』とお客さまに期待感を持ってもらえるようになれば」とし、「どうアートを見せるかでカフェの雰囲気もガラッと変わる。常にいろいろな提案をしていきたい」とほほ笑む。
「韓国や中国はアート市場がとても盛んで世界からキュレーターが集まって買いに来ているほど、注目されている。東京も言うまでもなくアート市場は盛んで、さまざまなギャラリーが成り立っているが、名古屋はまだまだ。アーティスト自身の売り込み方もおとなしいようだ」と、日本での生活7年目となるチェさんは分析。「アートで生活していく情熱があるのなら、ただ作品を作って漠然と『見てほしい』と思っているだけではだめ。若いアーティストには、アイデンティティーを確立して、いつでもどこでも自分を宣伝し、自分なりのプレゼンテーションができるようになってほしい」とし、「ここAGカフェもそのための宣伝の場、交流の場として積極的に使ってもらえれば」と期待を込める。
「大須は年齢や国籍、性別など関係なく気楽に遊びに来られるイメージがある。この楽しい街にもう一つ『楽しい場所』が増えたと思ってもらえるような、『大須の中のAGカフェ』とイメージしてもらえるようになれたら」とも。
営業時間は11時~19時。水曜定休。