全日空ホテルズ ホテルグランコート名古屋(名古屋市中区金山1、TEL 052-683-4111)は3月28日、名古屋開府400年記念の特別企画として、婚礼の際に新郎が甲冑(かっちゅう)を着るプラン「Zipangu~ジパング~」の提案を始めた。
同プランは、今年10月1日~翌年3月31日に同ホテルで婚礼を決めるカップル限定で提供するもの。用意する甲冑は、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉、前田利家、武田信玄、上杉謙信、直江兼継、真田幸村、伊達政宗、平家物語大鎧の10種類。
新郎が甲冑を着るというユニークなプランの企画経緯について、同ホテル宴会支配人の永田太さんは「年々、和のブームが高まるなか、名古屋開府400年に合わせ、ほかにはないオリジナリティーのある内容を考えていた」と振り返る。「名古屋市が掲げる『武将都市なごや』のイメージから、『甲冑』というキーワードが浮上。ぜひ新郎にも目立っていただきたいという思いから、今回のプランを考えた」と話す。実際にプラン作成前にも何組かのカップルから、甲冑の婚礼についての問い合わせがあったという。
甲冑を提供するのは、東海エリアを中心にブライダル事業を展開する「ラビアンローゼ」(本社=静岡県浜松市)。「ラビアンローゼに熱烈なラブコールを送り、ラビアンローゼが京都にアプローチした結果、撮影用などで使用する本格的な甲冑を仕入れることが可能になった」と永田さん。
これまでに成約に至ったカップルは約5組。中でも、「冑に『愛』のマークの入った直江兼続のもの、地元名古屋が生んだ武将の織田信長のもの」が人気だという。甲冑の総重量は20~30キロほどで、当時の武将が着ていた甲冑のレプリカ。同ホテル広報担当者は甲冑について、「鉄砲伝来以前の武将の甲冑は、弓矢をかわすためのもので、どこか雅でデザインにこだわったものが多い。一方、鉄砲伝来以降の武将の甲冑は、鉄砲の弾をかわすため銅版などの西洋甲冑的なデザインのものが多く見受けられる。時代の流れにより、甲冑の特徴も変わってきているのがよくわかる」と話す。
毎回京都から専門の着付け師が来館し、着付けを行う。着付けにかかる時間は約20分。17日に同ホテルで開催されたブライダル相談会では10組が甲冑を試着したという。「試着後は写真撮影会を行い、本番入場シーンさながらの音響照明効果で評判は上々だった」と永田さん。「歴史好きな方や、『新郎も目立ちたい』と思っている方、ほかにはない思い出に残る内容を考えているカップルにぜひ楽しんでもらえるのでは」と利用を呼びかける。