大須に注文靴工房・靴教室-職人が独立開業、「靴の大切さ伝えたい」

「靴アサオカ工房」をオープンした浅岡さん。手にしているのは手づくりの工房用スリッパと子ども用の靴。

「靴アサオカ工房」をオープンした浅岡さん。手にしているのは手づくりの工房用スリッパと子ども用の靴。

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 大須4丁目・上前津交差点のビルに9月11日、注文靴工房・靴教室「靴アサオカ工房」(名古屋市中区大須4、TEL 052-265-5195)がオープンした。

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 工房と教室を運営するのは靴職人の浅岡洋さん。西尾市出身の浅岡さんは19歳のときに上京。サラリーマンなどさまざまな仕事を経験するも、「地元が好きなので手に職をつけて、いつかこちらに戻って来たかった」と振り返る。

 そんなときに出会ったのが靴作りの専門校「モゲワークショップ」のホームページ。もともとものづくりに興味があったのと、ホームページの内容に引かれ靴職人の道に進むことを決意。2007年から1年間、学校に通い靴作りの手ほどきを受ける。その後、「関口善大靴工房」の関口さんに師事し、靴製作、木型理論、教室運営などを学んだほか、さまざまな工房やリペア店、木型職人の下に出向き靴作りの腕に磨きをかけた。

 念願かなえ地元で開いた工房は、約10坪のマンションの1室。机やいすを並べ「足に合った靴を履くことの大切さを伝えたい」と、自ら講師となって手作り靴の教室も開く。「自分の足と向き合うことができる場所」でもある靴教室は少人数制で、初心者でも気軽に受講できる。1人の生徒につき1回3時間、月4回の教室を予定。靴の形にもよるが、おおむね10回~16回で1足が完成するという。

 浅岡さんは「自分の履きたい靴を自分の手でカタチにできるという『もの作りの楽しさ』、手入れをすれば10~20年も履くことができる『ものを大切にする気持ち』などを、技術を修得しながら感じることができる教室にできれば」とほほ笑む。「自分で作った靴は愛着も沸くはず」とも。

 教室の講師を努めながら注文靴もこなす。「ほとんどの人は左右サイズが違うので、足に合った快適な靴を多くの人に履いてほしい」という手づくり靴は、「歩行しやすさ」を第一に考え注文客と相談しながら仕上げる。価格は、パンプス=3万円~、短靴=5万円~(別途、専用木型費必要)。

 オープンして間もなく1カ月。靴の注文も入り、生徒も入会した。「まずは教室や工房を通して手作り靴を広め、靴作りを盛り上げていきたい」と浅岡さん。「人情味があって風情があるところが気に入っている」という大須で、「街に溶け込んだ靴教室、靴を通していろいろな人がコミュニケーションのとれる場を目指したい」と目を輝かせる。

 教室の入会金は2万1,000円で、月謝は1万500円(月4回、材料費別)。開講時間などはホームページで確認できる。日曜・月曜定休。

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