大須商店街にある人気イタリアンレストラン「Cesari(チェザリ)」(名古屋市中区大須3)の2号店となるピッツァ専門店「SOLO PIZZA Napoletana(ソロ ピッツァ ナポレターナ)矢場町店」(栄3、TEL 052-238-1200)が12月1日、名古屋パルコ南館裏にオープンした。
2フロアで構成される同店の店舗面積は約30坪。1階にはファストフード店さながらのカウンターと伊ナポリから取り寄せたという薪窯を設置。利用客は窯の横にある注文カウンターでピッツァを購入するシステムで、席数は38席を設けた。テークアウトにも対応する。
ナポリで今年開催された「ナポリピッツァ料理人世界選手権」で世界一に輝き、「世界最優秀ナポリピッツァ職人」の称号を得た牧島昭成さんがピッツァを焼く「チェザリ」は連日、多くの利用客が行列を作りにぎわっている。2号店オープンについて、牧島さんは「気軽に楽しんでほしい『ナポリピッツァ』だが、チェザリではそれを食べるために長い行列ができ、気軽に食べられない状況ができてしまうことも。より少しでも多くのお客さまに本場のピッツァを楽しんでもらえるように、大須からほど近い矢場町に専門店を開くことにした」と話す。
牧島さんが優勝した選手権は、EUが定める正式な作り方や材料で作ったピッツァの味を競うもの。同店で提供するピッツァナポレターナやマルゲリータには「S.T.G.」という、EUが定めた正式なナポリピッツァの称号が付いているのも特徴。これまで、ナポリピッツァの普及活動に務めていた牧島さん。チャンピオンになったのと同時に、ナポリから世界に向けてナポリピッツァの魅力を伝える「世界のナポリピッツァ大使」にも任命されている。
ナポリピッツァの魅力については、「早い、安い、うまい、手軽、体にいい。こんないい食べものはなかなかない」とほほ笑む。「正式なナポリピッツァは材料の規制があるため、余分なものが入っておらず、味もしつこくない。2分で焼き上がるからファストフード感覚で食べてもらえ、実はスローフード」と牧島さん。価格についても、「イタリアで食べるナポリピッツァは、大体350円くらい。価格面でも本場のあり方を伝えていきたい」とも。
「日本によくある『ピザ』は、主に具を楽しむ傾向があるが、ピッツァは生地が主役。上にのるトマトソースなどは、いかに生地のうまさを引き出すかということを考えて作られている。実はイタリア人は穀物好き。食文化は日本に近いものがあると思う。小麦粉で作られているパスタやピザは、米を主食とする日本人の口に合うと確信している」とも。
現在、牧島さんは矢場町店でピッツァを焼くことが多いという。「300席ある大須店が満席でも、こちらの店はまだあまり知られていないため比較的空いていることがある。今が狙い目(笑)」。
今後は、「弟子がしっかり成長して独立できるようになったら、『のれん分け』というかたちで各地に店を増やして行きたい」と意気込む。「今後、名古屋駅付近などに出店を予定している」とも。
同店の主なメニューは、ピッツァナポレターナ S.T.G.(350円)、マルゲリータ ポカ モッツァレラ(350円)、マルゲリータS.T.G.(550円)、マルゲリータ エクストラ S.T.G.(850円)、ドリンク類(200円~)。ピッツァの大きさはすべて直径27センチ。
営業時間は11時30分~15時30分、18時~23時30分。