食べる

名古屋特有の食文化・モーニングのガイドブック「名古屋モーニング図鑑」

「名古屋モーニング図鑑」を発売した水野直人さん(右)と大西愛さん

「名古屋モーニング図鑑」を発売した水野直人さん(右)と大西愛さん

  • 0

  •  

 名古屋特有の食文化「モーニング」を集めたガイドブック「名古屋モーニング図鑑」が「LD&K BOOKS」から発売された。定番のトーストや卵はもちろん、うどん、カレー、デラ盛りや食べ放題など、個性的なモーニングを出す52店が、豊富な写真と解説で徹底紹介されている。巻末には登場した店の場所が分かるマップ付きだ。

「名古屋モーニング図鑑」表紙

[広告]

 企画・監修の「モーニングナヲト」こと水野直人さんは名古屋市出身。所属する「LD&K BOOKS」は東京に本拠を置き、出版のほか、本やCDのデザイン、カフェ経営などをしている会社。「CDのデザインなどでミュージシャンとのお付き合いが多い職場。ライブやキャンペーンで名古屋に行く人に、どこで朝食を食べればいいか聞かれることが多かった。雑誌の特集などを調べて教えていたが、書籍でまとめているものは少なかった」と企画が生まれた経緯を話す。豊橋市出身の社長をはじめ、愛知県出身のメンバーが多かったこともあり、企画書はすんなり通過。同社初めての「名古屋関連本」の制作が始まった。

 「名古屋の市外局番が052なので、52店舗を厳選した。モーニング文化が盛んな一宮市、豊橋市からも選んでいる。名古屋に住む人でも驚いてもらえる店を探した。個性的なメニューの店のほか、店内にコインランドリーやトランポリンがある面白い店も」

 メニューをはじめ、店内の様子なども多くの写真で紹介する。「きれいな写真をふんだんに使ったのは、カフェ好きの女性層に手に取ってもらえる本にしたかったから。通の人が紹介するマニアックな本ではなく、名古屋を訪れるビジネスマンなどモーニング初心者にも幅広く読んでほしい。ボリュームのある名古屋モーニングは、たくさん食べる若者にも合うはず。本を楽しんでから実際に食べに行ってほしいので、かばんに入るコンパクトな大きさになった」という。

 今回の本作りで、名古屋の魅力を再発見したという水野さん。「コーヒー1杯にカレーライスが付くなど、他の街では絶対ないこと。商売として大変なはずだが、多くの店がやっている。ここより小さな街だとできないし、東京のような大都市でもなくなる。名古屋がちょうどいい大きさだから残っている特有の文化。家族で朝から店を訪れてコーヒーを楽しむ文化は、名古屋かイタリアくらいしかない。コーヒー、モーニングは味だけではなく、文化を紹介できるメニューだと感じる」

 取材・ライティングを担当した大西愛さんは北名古屋市在住のライター。ほぼ全ての店に足を運び、朝のメニューを食べ歩いた。「候補になった店も合わせて100店舗くらい食べ歩いた。コーヒーがおまけに見える豪華なメニューもあれば、ネルドリップ式の本格コーヒーが楽しめる店もあり、一口にモーニングといっても本当にさまざま。うどんやフルーツ盛り、薬膳がゆ、自家栽培の野菜など、どの店も独自の工夫を凝らしている。一日中モーニングを注文できる店やコーヒーに付けるメニューが20種類から選べる店も」と振り返る。

 取材で大変だったことを聞くと、楽しい記憶しかないと大西さん。「取材して実感したのは、どの店もおもてなしの心に満ちていること。話題になればと変わったものを出すのではなく、客層に合わせてコーヒーも、朝食の内容も趣向を凝らしている。店主の人柄があるから人が集まると感じる。バラエティーに富んだ店を選んだが、味の面でもおすすめのガイドブックになったのでは」

 水野さんは「多くの方に紹介してもらい、東海地区では売り上げも好調。第2弾も企画できればうれしい」と意欲。大西さんは「さらにモーニングを極めたくなった。おやつタイムが魅力的な店なども取材してみたい」と笑顔を見せる。

 仕様はB5判変形、122ページ。価格は1,030円。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース