パルコギャラリーでは5月12日より、「寺山修司+森山大道『あゝ、荒野』展」が開催されている。同展は、昨年12月10日に寺山修司生誕70周年を記念して発売された「寺山修司+森山大道『あゝ、荒野』」(3,675円)の出版記念展で、同書に掲載されている森山大道さんの写真約120点と寺山修司さんの短歌をパネル展示している。森山さんの写真は同展のために大判に焼き直された作品も数点含まれるという。同書は、寺山修司さんが残した唯一の長編小説「あゝ、荒野」に、森山さんが60年代に撮り貯めた写真211点を新たに加えて出版したもの。同展企画担当の笹目さんは、「新宿が舞台の寺山さんの小説に、同じく新宿の写真を主に撮っている森山さんの写真は全て不思議とマッチする。二人は60年代にそれぞれの場所で同じものを見ていたのでは」と話す。初日は、森山大道さんと同書をデザインしたアートディレクターの町口覚さんによるトークショーが開催され、作品や同書デザインについての話題、寺山修司さんについてのエピソードなどが披露された。参加者から森山さんに寄せられた、「名古屋だったらどこを撮りたいか」という質問に「錦や大須を撮りたい。新宿のように繁華街の中に、どこかしたたかさを感じる街が好き」と答えていた。6月末には同書の特装版(20万円)が限定50冊で発売される予定。出版の経緯について笹目さんは、「寺山修司さんの生誕70周年を期に、より多くの人にきちんと寺山修司を伝えるために企画した。単に復刻するだけでは伝わらない事も表現することができた」と話す。21日まで。入場料は300円。
パルコギャラリー