松坂屋名古屋店(名古屋市中区栄3)南館8階の「マツザカヤホール」(TEL 052-251-1111)で3月18日、「黄金の世界展」が始まった。同展では昭和を代表するプロレスラー・力道山さんの等身大黄金像を公開している。
同展は金製品販売や貴金属買い取りの会社「SGC」が主催する展示即売会。金工芸職人の手による仏具や茶道具、和洋食器など1,000点以上の金製品が並ぶ。目玉商品として企画された「黄金の力道山」は、約180センチのFRP(繊維強化プラスチック製)の像に10センチ四方の金箔(きんぱく)約800枚を張って制作した。1体限定の商品で、価格は1,944 万円。金額は身長にちなんでいるという。会場では高さ11センチ、幅7.5センチの24金の胸像(97万2,000円)も販売する。
初日は次男でプロレスラーの百田光雄さんが来場した。百田さんは「父が活躍したのは、ちょうど日本の復興期、高度成長期の時代。今でも、この時代に父の姿を見て勇気をもらったという手紙を頂く。今の日本は景気が上がったり下がったり、不安な時代。この企画を頂き、父の像を見て皆さんが元気になるならと作っていただいた」と話す。
百田さんの完全監修の元、構想から完成まで半年以上の期間を費やした。「父はカメラを向けられるとほほ笑む人だったので、引き締まった表情よりも笑顔を選んだ。監修するにあたって大事にしたことは、素晴らしい体形を再現すること。映像や写真などから立体を作り上げるのは、苦労があったと思う。造形師の方は父の墓にある銅像を見にいくなど、本当にいろいろ調べて研究してくれた。父は写真だと黒タイツで足が細く見えたが、金色だとたくましく太く見える。相撲をやっていたから実際に足は太かったので、よく再現されている」。
父の戦う姿を見た百田さんは自らもプロレスラーとなり、66歳の今も現役を続けている。息子の力さんも2013年にプロレスデビューした。「1954(昭和29)年に父が初めてシャープ兄弟と戦った時、僕は6歳だった。歓声を超えた地鳴りのような応援を今でもはっきりと覚えている。初めてプロレスが日本に生まれた瞬間だった。空手チョップを打つたびに戦後の日本人のコンプレックス、鬱憤(うっぷん)が吹き飛ぶような、鳥肌が立つような感覚。みんなが頑張るぞと勇気をもらった」と振り返る。「プロレスは父の時代より多様になったが、変わらず見る人に力を与える。僕もまだ現役なので他のレスラーにエールを送る立場ではないが、地域密着型の団体も生まれ、フリーで頑張る良い選手もたくさんいる。ぜひ、自分の好きな選手を見つけて、応援しながらプロレスから力をもらってほしい」とも。
会場には力道山さんが活躍した昭和時代の生活や家具を再現したコーナーや、純金に触れるコーナー、純金のバナナや兜(かぶと)などさまざまな展示も。「足を運んでいただいた方には、昭和時代を思い出して楽しんでほしい。会場をいろいろ見れば、自分の思いと重ねやすい品が見つかるかも。これはというものがあれば、買い物をしていただけたら」と呼び掛ける。
開催時間は10時~19時30分(最終日は17時まで)。入場無料。今月31日まで。