名古屋・栄に4月28日、大型書店「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3、TEL052-238-0320)がグランドオープンした。
1874(明治7)年の開業以来、名古屋の書店文化を担ってきた老舗の同店。2012年6月にプリンセス大通にあった店舗が、ビルの老朽化で一時閉店。同年9月に隣接する百貨店「丸栄」の6・7階に移転し、営業を再開した。
旧店舗からすぐ近くの伊勢町通に建設した新しい「丸善名古屋本店ビル」は、地下1階から地上7階の8フロア。売り場面積は1,474坪で、蔵書数は120万冊。コミックスを除く全分野の書籍を扱い、専門書、洋書のほか、高級文具なども充実していくという。
開店初日は店舗前でオープニングセレモニーを開催。登壇した丸善ジュンク堂書店の工藤恭孝社長は「前のビルを取り壊してから3年間のブランクを経て、ようやくこの地に戻ってくることができた。丸善が栄に店を構えてから140年を超える長きにわたって営業を続けてこられたのは、皆さまのごひいきとご支援の賜物。これから、150年、200年に向け、この地で頑張っていきたい」とあいさつ。新ビルを建設した平和不動産・岩熊博之社長、丸善・安達敏之名古屋支店長とともに、テープカットで開店を祝った。この日は開店と同時に多くの来店客があり、本を手に取る人々で各フロアがにぎわった。
同店のオープンにより栄には、丸栄の「丸善名古屋栄店」、ナディアパークの「ジュンク堂ロフト名古屋店」、地下街の「丸善名古屋セントラルパーク店」と、グループ4店舗が営業することになる。工藤社長は「今の所、周りの店を縮小する予定はない。本店は専門書が中心、丸栄やナディアパークはコミックなども置いている。すみ分けができるような店舗構成に変えていきたい。東京・神田のように、書店が集まれば集まるほど、本好きがこの地に集まってもらえると信じて店舗を増やしている。いろいろなビルが名駅に移っている中で、栄を選んだ。地元と連携し、栄を文化の中心地にしたい」と意気込む。
6階イベントスペースでは現在、創業からの名古屋丸善の歴史を振り返る所蔵品の特別公開を行っている。明治から昭和期にかけてのタイプライター、万年筆、当時の直筆メモや、大正時代の建物の写真資料などを展示する。5月31日まで展示予定。
営業時間は10時~21時。