西川流が「名古屋をどり」概要発表 新家元・西川千雅さんがプロデュース

「第68回名古屋をどり」の発表を行った西川流の西川千雅さん(手前右)と西川右近さん(手前左)

「第68回名古屋をどり」の発表を行った西川流の西川千雅さん(手前右)と西川右近さん(手前左)

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 日本舞踊の西川流が7月1日、栄の中日劇場(名古屋市中区栄4)で上演する「名古屋をどり」の記者発表を行った。公演は9月2日~9月6日。

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 同公演は西川流が終戦直後の1945(昭和20)年から開催している日本舞踊と舞踊劇の舞台。名古屋の伝統芸能における秋の風物詩として親しまれ、今年で68回目を迎える。

 西川千雅さんが四世家元を襲名して初めての開催となる今回。初めて自ら全体のプロデュースを担当する。「西川流最大の行事であり、日本舞踊の世界でもほかに類を見ない公演。今年は初開催から70年目。大きな責任を感じている。父・西川右近より家元を継いで、この1年間で急に白髪が増え始めた。父が三世家元になった直後にも同様だったことを思い出す。父の時代と違うのは、私の隣には先代がまだ健在であること。大変心強く思いながら、今年の公演を迎えさせていただく」と話す。

 今回は二部制から三部制への変更や、イヤホンガイドの導入など、さまざまな試みを行う。また、劇場ロビーに江戸の街を再現したセットを組み、劇場スタッフが全員和服で出迎えるという。

 千雅さんは「大きなテーマとして『名古屋をどり観光化3年計画』を掲げた。3年かけてこの舞台をあらためて名古屋の名物にしたい。地元の方や伝統芸能のファンはもちろん、外国から来る方にも名古屋の踊りの文化を見ていただきたい。3時間あった昼の部を2分割して見やすくし、名古屋生まれの歌舞伎ソムリエ・おくだ建太郎さんの全面協力で音声ガイドを採用した。新たに名古屋をどりの新テーマソングも発表する」と話す。右近さんは「初めての名古屋をどりは、戦後の癒しのためだった。今までにない新家元の新たなチャレンジを、楽しみにしている」と期待する。

 公演の目玉・舞踊劇は千雅さんの主演で20年ぶりに「仇ゆめ」を再演する。同作は人間を好きになったタヌキの淡い恋心を描いた舞踊劇で、北条秀司さん作、二世家元・西川鯉三郎さん作舞で、1966(昭和41)年に鯉三郎さん、十七代目中村勘三郎さんら豪華メンバーで上演された。1995(平成7)年には、十七代目の十三回忌公演として十八代目勘三郎さんと右近さんの共演で披露された。

 千雅さんは「先代、先々代が演じた舞踊劇の傑作。今年は中村勘九郎さんが再演するなど特別な作品。継承と創造は西川流の2本の柱。大役にプレッシャーは感じるが、挑戦して乗り越えたい」と意気込む。右近さんは「最小限度のせりふと踊りで見事に表現された舞踊劇。大事な部分がほとんど踊りで表現されている。時代を超えて上演できる名作なので、多くの方に楽しんでもらいたい」と話す。

 開演時間は第1部=11時、第2部=14時30分、第3部=18時。料金はS席=6,480円、A席=3,780円。チケット発売は7月27日から。

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